酵素が薄毛の原因になるという説と、薄毛を予防するという説の2つがあります


酵素と薄毛の関係性については、真逆の意見が存在しています。ひとつは酵素が薄毛を引き起こしているという説で、2012年にアメリカで研究結果が発表されています。

もうひとつの説は酵素を使って頭皮や髪をケアすると、薄毛の予防や改善に繋がるというものです。酵素について反対の意見が生まれるのは、理由があります。

人間の体内にある酵素は数千種類ともいわれており、酵素の種類によって働きに違いがあるためです。数多く存在する酵素の中には、薄毛に悪影響を与えるとされる酵素もあれば、薄毛を改善するといわれる酵素もあります。

PGD2酵素が薄毛の原因になるといわれています

酵素が薄毛の原因になるといわれ始めたのは、2012年にアメリカでPGD2(プロスタグランジンD2)という酵素についての研究結果が公表されてからです。それまでPGD2酵素は、風邪による発熱や痛みなどの炎症を起こす酵素として知られていました。

炎症反応は免疫を高めるために必要なので、人間にとって害ではなく、むしろ身体を守ってくれる機能になります。

PGD2酵素が薄毛の原因だとされた理由は、AGA(男性型脱毛症)を発症している人の頭皮を調べたところ、薄毛になっている部分のPGD2酵素の濃度が10倍になっていることが判明したからです。

また毛包(髪をつくる部分)にPGD2酵素を加えてみると、髪の成長が遅くなるという研究結果になりました。これらの結果を踏まえ、PGD2酵素は髪の成長を妨げて薄毛を引き起こすと考えられるようになったのです。

ただしPGD2酵素が薄毛を発症させる説については、医学的根拠が示されたわけではありません。酵素には数多くの種類があり、PGD2酵素はその中に存在する酵素のひとつに過ぎないということです。

酵素は人間が生きていく上で必要な物質です


酵素は人間が生命活動を維持するために、なくてはならないものです。食べた物が体内に吸収されてエネルギーや髪の養分になるのは、酵素の働きが深く関わっています。

食べ物の吸収・分解以外にも、呼吸や運動・思考能力・治癒力など酵素の働きが関係しているものはいくつもあります。人間が生きられるのは酵素が体内で、さまざまな化学反応を起こしているからです。

生命を維持するためのあらゆる活動に関わっている酵素ですが、一つひとつの酵素の働きは限定的なので、マルチプレイヤー的な働きをしているわけではありません。たとえばタンパク質を分解する酵素はタンパク質しか分解することができないからです。

ほとんどの酵素は熱に弱く、35~40℃の範囲でもっとも活動が盛んになります。また環境が酸性かアルカリ性かによっても活動できる範囲が変化することから、酵素は限られた環境下で限定された働きをする物質だといえるでしょう。

もし体内からすべての酵素が失われてしまうと、私たちは身体を動かすことができず、考えることもできなくなってしまいます。何より食べ物の消化・吸収ができず、呼吸もできなくなるので、生きていくことができません。

人間の体内でつくられる酵素の量には限りがあります

生きていく上で絶対に欠かすことができない酵素ですが、人間が体内でつくり出せる酵素の量には限りがあるので、食べ物から酵素を摂取しなければなりません。体内での生産量が限られた酵素のことを潜在酵素といい、消化酵素と代謝酵素の2つが潜在酵素に分類されます。

消化酵素

食べ物の消化・吸収に欠かせない酵素で、体内に入った食べ物を分解する働きを持っています。唾液や膵液などの消化液に多く含まれていて、食べ物の消化の他に代謝にも関与している酵素です。

消化酵素にはタンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、デンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼ、脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解するリパーゼがあります。

代謝酵素

代謝酵素は免疫に関わる酵素で、細胞を再生したり治癒力を高めたりする働きをしています。生命活動のすべては代謝酵素が担っているため、人間が生命を繋ぐためにもっとも重要な意味を持つ酵素です。

人間がつくれる酵素の量には限りがある上に、加齢によって生成できる酵素の量が減少しやすくなります。

酵素を効率良く摂るにはコツがいります

失われやすい体内の酵素を補うには、食べ物から摂るのが一番です。ただし酵素を効率良く摂取するには、酵素を壊さないように気をつけなければなりません。

酵素は熱に弱い性質があるため、ほとんどの酵素は48℃以上で死滅するといわれています。つまり加熱調理した食べ物から酵素を摂取できる見込みは、ほぼないといえるのです。

熱に弱い酵素を効率良く摂取するには、酵素を含む食べ物をなるべく加熱しない状態で口にする必要があります。自然界で収穫できる食べ物には消化酵素が含まれていますが、肉や魚は加熱して食べるケースがほとんどなので、生食向きではありません。

酵素は動物性の食べ物から摂るよりも、生で食べる機会が多い野菜や果物から摂った方が効率的です。消化酵素は栄養素の吸収を高めてくれるので、頭皮を丈夫で美しい髪が育ちやすい環境に整えてくれます。

薄毛の予防によいといわれる酵素は、次の3種類になります。

タンパク質分解酵素

髪はタンパク質からつくられているため、薄毛を予防するためにもっとも重要な酵素です。タンパク質分解酵素は、メロンやパイナップルなどに多く含まれています。

デンプン分解酵素

デンプン分解酵素はアミラーゼとも呼ばれており、唾液にも多く含まれている酵素です。ニンジン・大根・ミカン・リンゴなどの野菜や果物に多く含まれています。

脂質分解酵素

脂質分解酵素には脂肪を燃焼する働きがあるため、ダイエットによいといわれることもある酵素です。トマトやホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

発酵食品である納豆は薄毛に効果的だといわれています


酵素は生の野菜や果物だけではなく、発酵食品にも多く含まれていることがわかっています。日本の伝統でもある納豆や味噌、しょうゆなどは、酵母菌の働きで食材を発酵させて、多くの酵素を生み出している食品です。

中でも納豆は酵素以外の栄養素も豊富に含んでいるため、薄毛を予防・改善するのにおすすめの発酵食品だといわれています。

ナットウキナーゼ

ナットウキナーゼは納豆のネバネバに含まれている酵素で、タンパク質分解酵素に該当します。加熱した大豆を納豆菌で発酵させる過程で、ナットウキナーゼが生成されます。

ナットウキナーゼには血行を改善する働きがあるので、髪が養分を吸収しやすくなり、髪が成長して薄毛が改善されるのではといわれています。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つ栄養素です。活性酸素を防ぎ、頭皮や髪の老化を予防する効果が期待されています。

亜鉛

亜鉛は薄毛の原因となる「5αリダクターゼ」を抑えると考えられています。タンパク質の代謝を促す働きを持っているため、髪の成長に欠かせない栄養素だといわれています。

亜鉛は体内で生成できないため、納豆やカキ、豚レバーなどの食べ物から摂取しましょう。

酵素水を使ったヘアケアもあります

酵素の働きで薄毛の予防や改善をする方法は、食べ物から摂取する以外にも酵素水を使う方法もあります。酵素水を自分でつくるのは難しいため、美容室でプロの方から施術をしてもらうのがおすすめです。

カラーやパーマは髪のおしゃれの基本ですが、頻繁に繰り返していると頭皮へのダメージが蓄積して、薄毛の原因になることがあります。一般的なカラー剤は酸性で、パーマ液の多くはアルカリ性のため、弱酸性である頭皮に強い刺激を与えてしまいます。

白髪やクセ毛が気になるので、カラーやパーマに頼りたいという方も多いでしょう。刺激が少ない薬剤を使っている美容室も多いので、できる限り頭皮や髪にやさしい施術をしてくれる美容室を探すのも、薄毛対策のひとつの方法です。

繰り返されるカラーやパーマは、髪の主成分であるケラチンが流れ出す原因です。ケラチンが失われた髪は細くなっていくので、結果的に薄毛になってしまうことがあります。

薄毛は頭皮環境や髪の太さが関係してくることを覚えておきましょう。

薄毛の予防と改善には地道な頭皮ケアが必要です

薄毛対策の基本は、シャンプーの選び方と正しいシャンプー方法にあります。自分の頭皮に合ったシャンプーを選べている人、正しいシャンプー方法を実践できている人は、案外少ないものです。

薄毛を防ぐために日頃のシャンプーを見直して、頭皮ケアに取り組みましょう。

正しいシャンプーの選び方

シャンプー選びで大切なのは、頭皮に刺激を与えないシャンプーを選ぶことです。香りや洗浄力が強過ぎるものは、頭皮の負担になる可能性があります。

頭皮にやさしいオーガニック系や、アミノ酸系のシャンプーがおすすめです。

正しいシャンプーのコツ

多くの人が自己流でシャンプーをしていますが、正しい方法でシャンプーをするにはコツがあります。

・シャンプーをしっかり泡立てる
・頭皮にシャンプーをつけ過ぎない
・爪を立てて頭皮を洗わない
・すすぎを丁寧に行う

シャンプーは頭皮を洗うことを意識しながら行い、健やかな頭皮環境を目指しましょう。健康な頭皮が豊かな髪を育ててくれます。

(まとめ)酵素が薄毛の原因になるという説は、PGD2酵素が薄毛を引き起こすのではというアメリカの研究結果から生まれました。

人間の体内にある酵素は数千種類にもおよび、中には薄毛を予防するのに効果が期待されている酵素がいくつもあります。

一言に酵素といってもさまざまな種類があるので、酵素が薄毛の原因になると断定することはできません。酵素は人間が生きていく上で欠かせない物質なので、日々の食事で摂取する必要があります。

薄毛予防には頭皮にやさしいシャンプーを選び、普段のシャンプー方法を見直すことも大切です。

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