皮脂が過剰に分泌される病気の可能性もあります


脂っぽい食事を控えたり、毎日きちんとシャンプーをしたりしているのに、頭皮がベタベタしていると、何かの病気なのではないかと心配になってしまうかもしれません。

人間の皮膚には、適度な皮脂が必要ですが、皮脂の分泌量は個人差があり、性別や年齢によっても異なります。

また、生活習慣や許容範囲内のストレスなどが原因で増減しています。

だから、少しぐらい頭皮の皮脂が多いからといって、病気を疑う必要はないでしょう。

ほとんどが生活習慣の見直しやヘアケアを正しく行うことで、改善されると思われます。

しかし、皮脂の分泌量が異常に多くなる病気があるのも事実です。

皮脂過剰の病気の1つである脂質異常症(高脂血症)は、放っておくと動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる可能性もあるので、注意しなければなりません。

また、内分泌系の病気などによって、皮脂の分泌を促すホルモンが増加し、皮脂が異常分泌されることもあります。

頭皮の脂だけでなく、ほかに症状がある場合や、セルフケアで改善しない場合は、医師などの専門家に相談しましょう。

脂質異常症(高脂血症)は自覚症状がほとんどありません

脂質異常症(高脂血症)は、生活習慣病の1つで、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセライド(中性脂肪)の値が高い、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)の値が低い状態が続く病気です。

LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを体中の細胞に運び、HDLコレステロールは余分なコレステロールを回収して肝臓に戻します。

中性脂肪は活動のエネルギー源でもあり、保温や内臓を守るという役割もあります。

だから、これらは人間の体にとって本来は必要なものなのです。

しかし、正常値ではない期間が長く続くと、増えた脂質が血管の内側にたまり、動脈が詰まったり硬くなったりして、様々な合併症を引き起こす動脈硬化の原因となります。

この病気は遺伝的要因で起こるもののほか、生活習慣の乱れやホルモンの分泌異常、糖尿病や腎臓病などの疾患、薬によって起こるものもあります。

自覚症状がなく、血液検査の結果で分かることが多いといわれています。

ホルモン分泌異常も皮脂の分泌を増加させます


テストステロンなどの男性ホルモンは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促す働きがあります。

また、女性ホルモンの1つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)にも男性ホルモンと似たような作用があり、多く分泌されると、皮脂の分泌量が増加します。

ホルモンのバランスは、ストレスや睡眠不足、不規則な生活、加齢などによって、乱れてしまいがちです。

男性に比べると少量ですが、女性にも男性ホルモンが存在するので、ホルモンバランスが崩れることで、男性ホルモンの影響が大きくなると考えられています。

それから、内分泌系の病気によっても、男性ホルモンや黄体ホルモンが増加する場合があります。

例えば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内の男性ホルモンが多いために排卵が起こりにくくなる疾患です。

このように男性ホルモンの作用で皮脂の分泌量が増えることがあります。

病気の予防にもつながる生活習慣の改善

病気によって、皮脂が過剰に分泌される場合、頭皮の皮脂分泌だけに直接影響することは少ないかもしれません。

しかし、生活習慣の乱れは、ホルモンのバランスを崩し、病気にもつながります。

生活習慣の改善は、生活習慣病の予防と、頭皮の皮脂分泌抑制のどちらにも効果があるでしょう。

ストレス

過度のストレスや慢性的なストレスによって交感神経が優位になると、男性ホルモンの分泌が促進されます。

また、ストレスに対抗するために「コルチゾール」というホルモンが分泌されますが、これは男性ホルモンを刺激する作用もあります。

自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

睡眠

慢性的な睡眠不足は、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌量を減少させ、逆に食欲を高めるホルモンである「グレリン」の分泌量を増加させるので、太りやすくなるといわれています。

また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、体を成長させるだけでなく、細胞の再生や脂肪の分解なども行います。

成長ホルモンは就寝直後の深い睡眠時に多く分泌されるので、質のよい睡眠を取ることが重要です。

食生活

偏食や食べ過ぎ、あるいは極端な食事制限は、生活習慣病につながる可能性があります。

動物性脂肪の摂り過ぎに注意し、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取するように心がけましょう。

運動

運動には、血圧や血糖値を改善したり、HDLコレステロールを増やしたりする効果があります。

また、適度な運動はストレス解消にも役立ちます。

喫煙

たばこの煙には健康障害をもたらす物質が含まれており、喫煙によってHDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールと中性脂肪の原料となる遊離脂肪酸が増加します。

飲酒

アルコールは肝臓で分解されますが、過度な飲酒によって肝臓の負担が重くなり、毒性のあるアセトアルデヒドが十分に分解されない状態になります。

すると、そのアセトアルデヒドは脂肪の分解を抑制するので、中性脂肪が肝臓にたまってしまうことになります。

健康な状態であれば適量のアルコール摂取はHDLコレステロールを増やし、血行を促進するという作用もあるといわれますので、節度ある飲酒を心がけ、飲み過ぎには気をつけましょう。

(まとめ)頭皮の脂が大量に出るのは病気ですか?

1. 皮脂が過剰に分泌される病気の可能性もあります

皮脂の量は、性別や年齢、生活習慣などが原因で増減し、ほとんどが生活習慣の見直しなどを行うことで改善されます。

しかし脂質異常症や内分泌系の病気なども皮脂の過剰分泌を招くので、気になる方は専門家に相談しましょう。

2. 脂質異常症(高脂血症)は自覚症状がほとんどありません

脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪の値が高い、または善玉コレステロールの値が低い状態が続く病気です。

遺伝的要因、生活習慣の乱れなどによって起こり、ほとんど自覚症状はありません。

3. ホルモン分泌異常も皮脂の分泌を増加させます

テストステロンやプロゲステロンは皮脂の分泌を促すので、ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌量が増加することがあります。

また、多嚢胞性卵巣症候群などの内分泌系の病気によっても増加する場合があります。

4. 病気の予防にもつながる生活習慣の改善

強いストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、過度の飲酒は、ホルモンのバランスを崩し、皮脂の過剰分泌につながります。

生活習慣の改善は、頭皮の皮脂分泌正常化だけでなく生活習慣病の予防にも効果があるでしょう。

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