ピルの使用を中止すると抜け毛が発生することがあります
ピルの使用を止めると、抜け毛が発生してしまう恐れがあります。
その理由は、ピルに含まれるエストロゲンが摂取されなくなるためです。
エストロゲンとは女性ホルモンの一種で、髪の毛の成長を促す効果があります。
ところがピルの服用をやめてしまうと、エストロゲンの量が減ってしまうため髪の毛の成長が止まり、抜け毛を誘発してしまうかもしれないのです。
これは、ピルに含まれるエストロゲンの量によっても影響が異なり、量が多い場合には、変化に体がついていけなくなります。
出産を経験した女性は、その後に抜け毛が増えたという経験をお持ちかもしれません。これもピルの服用を中止したことで、エストロゲンの減少が起きているのと同じ原理です。
目次
ピルは人工的に妊娠しているのと同じホルモンの状態を作り出します
ピルには、エストロゲンやプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが配合されています。この両者は排卵や妊娠をコントロールする働きがあります。
ピルを服用すると、女性ホルモンが脳の視床下部や下垂体に対して働きかけを行います。
そして自分の体を「今は妊娠している状態だ」とだましてしまうのです。
女性は妊娠すると、それ以上受精が体内で行われないようにするために排卵を止めます。
そのため、ピルを服用している限りは排卵が行われず妊娠が起こり得ないといえるでしょう。
このような仕組みから、もしピルを服用するのを辞めると、産後と同じ状態になるというのは想像に難くありません。
つまり、女性ホルモンの量も服用時よりも急激に下がってしまうのです。
エストロゲンが減少すると、抜け毛が出やすくなるためピルの服用を中止する場合にはある程度抜け毛のリスクがあると考えてよいでしょう。
ピルには抜け毛抑制の他にもいろいろなメリットがあります
ピルは、服用を続けることで以下のような症状に効果があります。
生理の改善
ピルを摂取すると出血量が少なくなって、子宮収縮も軽減されるため、生理痛が和らぐとされます。また生理不順で悩まされている人がピルを引用することで、28日周期で整うので、生理に関するトラブルを解決できるかもしれません。
また、ピルには、子宮内膜症の予防効果も報告されています。さらに、すでに子宮内膜症にかかっている人も、症状の進行を遅らせる可能性も示唆されており、子宮や卵巣にまつわる病気にも効果があるといえそうです。
不妊予防にも
「ピルを飲み続けていると不妊症になる」という話を聞いたことがあるという方もいるかもしれません。
しかし、むしろその逆の効果が、ピルには期待できるのです。その理由は、擬似的に妊娠状態を作ることで細菌やウイルスの子宮への侵入を抑止する効果があるためです。
そのため、卵管炎や骨盤内感染症などの不妊の原因となる病気の芽を摘むことができます。
その他にも、黄体ホルモンが子宮内膜を守ることで、子宮体がんに罹患するリスクも低下するとされます。
ピルを服用してはいけない人もいます
ピルは全世界1億人以上の人が服用しているといわれています。
しかし、ピルの医薬品であり、日本では服用について処方が必要です。
以下に該当する人はもしかしたら処方が行われないかもしれません。
病気を抱えている人
乳がんや子宮がんの疑いのある人や、すでにがんに罹患している人はピルを使用できません。
その他に、高血圧症の方も、ピルの引用は好ましくないとされます。
また、静脈血栓症など血管に関する病歴をお持ちの場合には、医師への相談が必須です。
女性の方で偏頭痛に悩まされている人は多いです。この偏頭痛がひどい場合、使用する前に医者に相談をした方が良いでしょう。
喫煙習慣のある女性も注意
女性の方でタバコを普段よく吸っている人の中には、ピルの使用が好ましくないとされます。目安としては、1日15本以上喫煙をする人は、ピルは使用しない方が良いといわれています。
該当する人は使用を控えるか、禁煙を心がけるようにしましょう。
(まとめ)ピルが女性の抜け毛の原因になりうるって本当なの?
ピルは女性ホルモンの一種であるエストロゲンを増やす作用をもつ薬です。エストロゲンには髪の毛の成長を促す効果もあるため、ピルの使用をやめてしまうと抜け毛が一気に起こる可能性があります。
ピルの服用で避妊ができるのは、体に妊娠している状態だと思いこませて排卵をストップさせるからです。服用中は、女性ホルモンが多く分泌されており、髪の毛の成長も促されています。そのため、服用を中止すると抜け毛が発生するかもしれません。
ピルは抜け毛を抑制する効果の他にも、さまざまな効果が期待できます。月経の乱れを改善したり、不妊症を予防したりする効果もあるとされ、服用によりメリットが得られるケースも多いでしょう。
世界中で多くの女性がピルを服用していますが、これは医薬品で日本の場合には医師の処方が必要とされます。持病を抱えている人や生活習慣に問題のある人は使用を控えた方が良い場合もあるので事前に医師へ相談しましょう。