いちがいにパラベン無添加がよいとは言えないようです


シャンプーを選んでいて、最近よく見かけるのが「パラベンフリー」という表記。

パラベンとは「パラオキシ安息香酸エステル」の略で、いわゆる防腐剤です。

実はパラベンは、肌荒れや吹き出物、アレルギーの原因となるため、使用可能な量が定められた「旧指定成分」です。

配合率が高いとアレルギーを起こす可能性があるため、使用量の上限が1%と定められています。

最近の化粧品販売会社が「パラベンフリー」と喧伝しているのは、このパラベンを添加していない商品という意味です。

しかし、パラベンフリーならよいかというとそうでもありません。

パラベンを使わないかわりに、ほかの抗菌剤、防腐剤が使われているからです。

代替の防腐剤の中にはパラベンより使用量が厳しく制限されているものや、安全性のデータがまったくないものもあります。

「パラベンは身体に悪い」というイメージが広がった為に、パラベンのかわりにもっと強い防腐剤を使わざるをえないという実情があります。

現在、ほとんどの商品はパラベン濃度が0.25%以下になるように工夫されています。

単純に「パラベンが入っているから悪い」「パラベンフリーだから安全」と言うわけにはいかないようです。

シャンプーに防腐剤が必要な理由

そもそもシャンプーは主成分が水であるため、微生物が繁殖しやすく、腐敗しやすいものです。

そして入浴中やシャワーを浴びる際に使うため、浴室に置いておくことがほとんど。

高温多湿で水がかかりやすい浴室に置かれているということは、常に、ボトルに細菌が侵入するリスクにさらされているということです。

一度、封を開ければ、さまざまなカビや雑菌が製品の中に入ってきます。

もし防腐剤を使わなければ、数日でシャンプー液が腐敗・劣化してしまうでしょう。

防腐剤が入っていない製品で、頭皮を洗うということは、雑菌だらけのシャンプーで頭皮を洗うということです。

防腐剤入りと聞くと、確かにイメージが悪いですが、雑菌だらけのシャンプーを塗るのとどちらが肌に悪いか、比べるまでもありません。

パラベンの危険性の実際


防腐剤としてのパラベンの特長は

  • ほとんどの雑菌に対して抗菌効果がある
  • 少量で防腐効果を発揮する
  • 法で定められた品質保証期間(3年間)防腐できる持続性がある
  • 口に入れない限り毒性は極めて少ない
  • 価格が安価

というもの。

浴室に置きっぱなしにするシャンプーを、数か月間、使い続けることを考えると、パラベンは最適な防腐剤といえます。

ただ、パラベンは1000人中の約3人がアレルギーを引き起こす可能性があるため、「旧表示指定成分」とされていました。

といっても、パラベンが指定されたのは1980年のことです。

確かに30年以上前のパラベンは単独で使用すると皮膚に吸収されてアレルギーを起こす可能性がありました。

ですが、この30年間で、防腐効果を保ちつつ肌に影響を与えない配合量などの研究が進み、安全に使用できる技術が確立されているのです。

現在、ほとんどの日本の化粧品は、パラベン濃度が0.25%以上にならないよう工夫されています。

天然由来の防腐剤なら安全、というわけではない

一方で、パラベンを使わず天然由来の抗菌成分を配合しているシャンプーも市販されています。

唐辛子、生姜、ヒノキ、わさび、ローズマリーなどから抽出したエキスの成分を使っており、「天然防腐剤」と呼ばれます。

「天然防腐剤」は肌への刺激が少なく、有益な常在菌を排除することもありません。

しかし一方で、これらの成分は、ある菌には有効でも別の菌には効果がない、あるいは、生産コストが割高になるため販売価格が高くなる、など問題も多いようです。

例えば、パラベンの代替として多く使われるようになった「フェノキシエタノール」は緑茶由来の物質の成分です。

一見安全なように思えますが、黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐためにはメチルパラベンの3~4倍の量のフェノキシエタノールが必要になります。

この分量になると、肌への刺激はパラベンと同じくらい、むしろフェノキシエタノールのほうが強いくらいなのです。

自分に合ったシャンプーを選びましょう

日本の薬事法では、販売されるすべての化粧品に対して「3年間、変質・変色しない」ことが求められています。

さまざまな防腐剤の中で、今でも多くの商品にパラベンが採用されているのは、ほかの防腐剤と比べ少量でこの要件を満たしているからです。

シャンプーや化粧品に含まれるパラベンは、いわば「必要悪」ということになります。

とはいえ、敏感肌の人の場合、パラベンが0.25%以上の濃度で配合されていると刺激を感じるという報告もあります。

アレルギーがある方は、パラベン配合を避ける方が無難といえます。

いずれにせよ、大切なことは、「パラベンフリー=肌によい」という単純化し過ぎたキャッチフレーズに先回りして対応することです。

自分の頭髪の状態を知り、シャンプー成分への知識を深め、髪質に合ったものを選んでいきたいですね。

(まとめ)パラベンを配合したシャンプーは使わない方がいい?

いちがいにパラベン無添加がよいとは言えないようです

最近は、多くの商品が、防腐剤にパラベンを使用していない「パラベンフリー」を謳って宣伝されています。

しかしその場合、代替の防腐剤として、より危険性の高い成分が使われていることが多いのです。

単純に「パラベンフリーだから安全」というわけにはいかないようです。

1. シャンプーに防腐剤が必要な理由

高温多湿な浴室に置かれることの多いシャンプーですが、そのボトルは常に、細菌が侵入し、シャンプー液が腐敗するリスクにさらされています。

防腐剤を使わなければ、数日で腐敗してしまい、雑菌だらけのシャンプーで頭皮を洗うということになります。

2. パラベンの危険性の実際

少量でほとんどの雑菌に対して抗菌効果があるパラベンは、防腐剤として最適な化学物質といえます。

30年以上前のパラベンは、単独で使用され、皮膚に吸収されてアレルギーを起こす可能性がありました。

現在は、ほとんどの製品が、パラベン濃度0.25%以上にならないように工夫されています。

3. 天然由来の防腐剤なら安全というわけではない

パラベンを使わず、天然由来のエキスを使ったシャンプーもあります。

天然防腐剤は、肌への刺激が少なく安全性が高い一方、抗菌効果が低く、大量に使わないと防腐効果が発揮されません。

大量に配合することで肌への刺激はパラベンより強くなるといった問題があります。

4. 自分に合ったシャンプーを選びましょう

今でも多くの商品にパラベンが採用されているのは、ほかの防腐剤に比べ、少量で持続性の高い防腐作用が期待できるからです。

敏感肌の人やアレルギーがある人は、パラベン配合を避ける方が無難ですが、「パラベンフリー=肌によい」というイメージにまどわされないことも大切です。