細い髪を太くするには、タンパク質の補給が不可欠です


かつて「海藻を食べると髪によい」という俗説がありました。

海草には髪を作るために必要なミネラル成分が含まれていますから、あながち間違いではありません。

しかし、実際には髪の毛の9割はタンパク質でできています。

詳しく説明すると、髪を構成しているのは「ケラチン」というタンパク質の一種。

人が食事からタンパク質を摂取すると、そのタンパク質は一度体内でアミノ酸に分解されます。

そして、20種類あるアミノ酸のうち18種類がケラチンとして再合成されて骨や筋肉、髪などが作り出されます。

細い髪の毛を太く、健康にしたい場合に、最も必要な栄養素は髪のそのものを構築しているタンパク質なのです。

ところが、人体においてアミノ酸は筋肉や内臓、血液といった生命維持に必要な活動に優先されて使われます。

そのため、摂取したタンパク質が不足していると、髪を作るのに必要なケラチンが足りなくなり、細く弱々しい髪になってしまうのです。

無理なダイエットや激しい運動をしている人、外食やインスタント食品が多い人などはタンパク質が欠乏しやすくなっています。

急激に髪のボリュームが減った、髪が細くなったという場合はタンパク質不足の可能性を考えてみましょう。

髪のタンパク質がダメージを負うことでさらに髪が細くなります

よく引き合いに出される比喩ですが、髪の構造は巻き寿司のようになっています。

海苔=キューティクル(毛表皮)

一番外側の層で、無色透明なウロコ状をしています。

髪の毛の内部を保護する役割があり、かたいタンパク質が主成分。

ご飯=コルテックス(毛皮質)

髪の毛の85%~90%を占め、髪の太さやしなやかさに影響する中間層。

ケラチンという繊維状のタンパク質が主成分。

ネタ部分=メデュラ(毛髄質)

髪の毛の中心にある層で、やわらかなタンパク質と脂質が主成分。

という具合です。

こうしてみるとわかるように、髪を構成する3層はすべてがタンパク質からできています。

そして、タンパク質には熱やpH値の影響で形状が変化するという特性があります。

パーマ液やドライヤーの熱風、紫外線などに長時間さらされていると、まず外側のキューティクルが剥がれやすくなり、中のコルテックスが髪の外へと流失します。

すると髪の内部はスカスカになり、髪がやせ細る原因になるのです。

1日の摂取目安は体重1 kgに対して1.1g


では1日にどのくらいのタンパク質を摂る必要があるのでしょう?

ざっくりとした摂取目安は「体重1 kgに対して1g」といわれます。

体重が60 kgなら1日に60 gのタンパク質が必要というわけです。

ただ、タンパク質は筋肉の修復にも使われるため、運動をする人としない人とでも必要量は変わってきます。

細い髪を太くしたい、健康な髪を育てたいなど、育毛や発毛を目的とするなら、少し多めに、体重1 kgに対して1.08~1.1 gくらいを目安に考えるとよいでしょう。

肉・魚・卵・チーズや乳製品は動物性タンパク質、そして豆腐・納豆などの豆類には植物性タンパク質が多く含まれています。

双方をバランスよく食事に取り入れることが大事です。

また、「タンパク質さえ摂ればいい」というわけにはいきません。

良質なタンパク質をアミノ酸に分解し、効率的に摂取するためには、亜鉛・ビタミン・ミネラルなどタンパク質の吸収を高めてくれる栄養素をあわせて摂取する必要があります。

外側からの「タンパク質ケア」も効果的です

食物からタンパク質を摂取することは大事ですが、まず筋肉や臓器に配分されてしまうため、髪の毛まで届くには時間がかかります。

そこで、食事に加えて直接髪にタンパク質を補給する方法として注目されているのが「タンパク質ケア」です。

美容室で行うタンパク質ケア

カラーリングやパーマを行う際に、少しでも傷みが緩和されるよう薬剤にタンパク質を混ぜたり、ケラチンを浸透させたりする方法です。

また、スカスカになったコルテックス部分にタンパク質を浸透させるタンパク質トリートメントにはこれ以上ダメージが進まないようにする効果もあります。

自宅で行うタンパク質ケア

毎日のシャンプー時にもタンパク質(アミノ酸)を補うことを意識しましょう。

アミノ酸系シャンプーの中でも、加水分解ケラチンや加水分解コラーゲンといった成分が配合されているものは髪を修復する効果が大きいといわれています。

また、タンパク質を補うだけでなく、トレハロースを配合することで残っているタンパク質の変性を防ぐシャンプーなども開発されています。

(まとめ)細い髪を改善するにはタンパク質を摂ればいい?

1. 細い髪を太くするには、タンパク質の補給が不可欠です

人間の髪の毛の9割はケラチンというタンパク質でできています。

しかし食物から摂取されたタンパク質は生命維持に必要な内臓、血液などに優先されて使われ、髪は後回しにされてしまいます。

急激に髪が細くなった場合、タンパク質不足を考える必要があります。

2. 髪のタンパク質がダメージを負うことでさらに髪が細くなります

髪を構成するキューティクル層・コルテックス層・メデュラ層のいずれも主成分はタンパク質。

タンパク質は熱などで変質するため、ドライヤーや紫外線などの影響でキューティクルが剥がれ、コルテックスが流出し、髪がやせ細る原因になります。

3. 1日の摂取目安は体重1 kgに対して1.1 g

動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく食事に取り入れるようにしましょう。

1日の摂取量の目安は体重1 kgに対して1.08~1.1 gくらいです。

また亜鉛・ビタミン・ミネラルなどタンパク質の吸収を高めてくれる栄養素も必要です。

4. 外側からの「タンパク質ケア」も効果的です

最近はカラーリングやパーマの際に薬剤にタンパク質を混ぜるケアや、タンパク質トリートメントを行う美容室が増えています。

また、自宅でのケアとしては加水分解ケラチンや加水分解コラーゲンなどが配合されたアミノ酸系シャンプーなどがおすすめです。