はい、シャンプーしても24時間後には皮脂量が戻ります


もしシャンプーをしないとどうなるでしょうか。
フケやかゆみが出たり嫌なニオイがしたり、何かしら不快な思いをするはずです。

実は、このような現象に「酸化」が関係しています。
頭皮脂を放置すると、空気中の酸素や紫外線にふれ酸化します。

この過程で、できるものが「過酸化脂質」です。
過酸化脂質は皮脂が酸化して変化したもので、ニオイ物質をつくり出したり頭皮に刺激を与えたりします。

これが、加齢臭や頭皮トラブルの原因のひとつです。
酸化を防ぐために、余計な皮脂を落としましょう。

一般的にシャンプーは、洗ってから24時間後に皮脂量が元の量に戻ります。
その後で皮脂量は増えていきます。

シャンプーは、1日1回程度がよいでしょう。
なお洗いすぎは禁物です。

シャンプーで皮脂を落としすぎてしまうと、頭皮を守るためにますます皮脂分泌が増えてしまうからです。

また頭皮脂の酸化だけではなく体の内側でも酸化現象が起きています。
私たちは呼吸によって体内に酸素を取り入れています。

しかしその酸素が形を変えて「活性酸素」というより酸化作用の強い酸素を発生させるのです。

ストレスなどの影響で活性酸素が大量に発生すると体内の脂肪と結びついて血液の流れを悪くしてしまいます。

酸化とは酸素と結びつく反応です

「鉄が錆びてボロボロになる」「リンゴの切り口が黄色に変色する」という現象をみたことがありますか。

これが酸化です。
具体的には空気中の酸素と結びついて起きる反応をいいます。

実は、私たち人も酸化しています。
私たちの体をつくる細胞は、呼吸によって取り込んだ酸素を使い、食事によって摂った栄養素を燃やしてエネルギーを生み出しています。

そのとき発生するのが「活性酸素」です。
活性酸素とは強い酸化作用がある酸素で、その性質から体の中に細菌やウィルスが侵入したときそれらを退治する大切な役割があります。

しかしその一方で、活性酸素が増えると正常な細胞まで傷つけてしまうという悪い影響もあります。

とくに酸化されやすいのは脂質です。
揚げ物をするときの油を想像してみてください。

同じ油を繰り返し加熱するとネトネトした状態になり嫌なニオイが発生します。
これは、空気中の酸素と熱によって、油が酸化したためです。

似たようなことが体の中でも起こります。
血液中の脂質が酸化すると、血液もネトネトした状態になるのです。
これが原因で病気を引き起こすといわれています。

活性酸素が増える要因

激しい運動
ストレス
喫煙
紫外線
食生活
ホルモンバランスの乱れ
大気汚染など

体内で起こる酸化
  • 栄養素+酸素=エネルギー+活性酸素
  • 大量の活性酸素+細胞=細胞にダメージ(老化)
  • 脂質(血液中にあるコレステロールや中性脂肪)+大量の活性酸素=過酸化脂質(病気の原因)

加齢臭の正体は皮脂の酸化です


前回は体の内側で起こる酸化をみてきましたが、ここからは体の外側で起こる頭皮脂の酸化をみていきましょう。

本来、頭皮脂は水分の蒸発を防いだり潤いを与えたりと頭皮や髪に欠かせない存在です。
しかし食生活の乱れやストレスなどから皮脂分泌が増えることがあります。

すると皮脂は時間とともに酸素や紫外線にふれ、さらに体内で発生する活性酸素の影響も受けて、酸化が加速します。

この過程で、できるものを「過酸化脂質」といいます。
過酸化脂質は頭皮にとっては大敵です。

頭皮に刺激を与え、炎症やかゆみを発生させるのです。
さらに酸化が頭皮内部に進行すれば、育毛を妨げる原因になります。

またいわゆる「加齢臭」も皮脂の酸化が原因です。
皮脂の酸化が進むと脂肪酸やアルデヒドのようなニオイ物質が生まれ、独特の脂臭さが発生してしまうのです。

加齢臭の男女差

男性ホルモンは、皮脂分泌を促すはたらきがあります。
そのため男性の方が脂臭くなりやすいものです。

しかし女性でも加齢臭は発生します。
閉経後の女性は、女性ホルモンが激減し男性ホルモンが優位になるからです。

男女ともに皮脂の出口が詰まると酸化しやすいため、適度に洗う方がよいでしょう。

皮脂の原料となる中性脂肪を増やさないようにしましょう

皮脂の原料は血液中にある中性脂肪です。
中性脂肪が高いと皮脂分泌が増えるとともに酸化して頭皮トラブルや加齢臭の原因になります。

また中性脂肪は水に溶けない性質があります。
そのため中性脂肪が増えると血液がネバネバ状態になり動脈硬化の原因になります。

育毛のためにも健康のためにも、酸化を防ぎ血液をキレイにすることが大切です。
では中性脂肪を増やさないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

まずは糖質の摂りすぎに注意しましょう。
これは、食事で摂った糖質がエネルギーとして使われないと中性脂肪に変化するからです。

次にアルコールをほどほどにすることです。
これは、脂肪やアルコールの代謝に肝臓が関わっているからです。

肝臓は、食事で摂った脂肪を貯蔵したり体に合った形に加工したりするはたらきがあります。

ところがアルコールを飲むと肝臓は最優先でアルコールを処理しようとします。
すると脂肪の代謝が妨げられ、血液中の中性脂肪が増えてしまうのです。

糖質とは・・・

スーパーやコンビニには「糖質オフ」「糖質カット」と表記した飲料や食品も増えています。
実際に「糖質制限」を実践している方もいるかもしれません。

では糖質とは何なのでしょうか。
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。

糖質は、私たちのエネルギー源となる大切な栄養素ですが、エネルギー源として使い切れないと中性脂肪として蓄えられてしまいます。

糖質を多く含む食品は、ごはん・パン・麺類・イモ類・砂糖類・果物類などです。

油の質を意識して、脂肪をバランス良く摂りましょう


「油」や「脂」と聞くと、なんとなく健康に悪いイメージがあります。
たしかに油っぽい食事をすれば中性脂肪は増えてしまいます。

しかし一言で「油」といっても、「動物」「植物」「魚」など実際にはさまざまな種類があります。

その中には、中性脂肪を抑える働きがある質のよい油も存在するのです。
たとえば「亜麻仁油」「エゴマ油」「魚の油」などです。

これらは、「中性脂肪を減らすはたらき」や「アレルギーやがんを抑えるはたらき」があるといわれています。

その一方でお菓子の材料になる「マーガリン」「ショートニング」などは、強い酸化作用があるため動脈硬化やがんの原因になるといわれています。
つまり油の質を意識すればよいのです。

ファーストフードや市販のお弁当の多くは、どのような油が使用されているのかわかりませんが、家庭では油を選ぶことができるはずです。

油の質を見極めて、必要な脂肪をバランス良く摂るように心掛けましょう。

油の種類とその特徴

①オメガ6系(サラダ油・ひまわり油・コーン油・ごま油)
・現代人は摂りすぎている傾向がある
・過剰摂取は、アレルギー症状や発がんを促進する

②オメガ3系(亜麻仁油・エゴマ油・魚の油)
・中性脂肪を減らし、がんを抑えるはたらきがある
・加熱すると酸化しやすいので、ドレッシングなどに使用する

③オメガ9系(オリーブ油・米油・菜種油)
・抗酸化物質があるため、脂質の酸化を防ぐ

「有酸素運動+カラフルな食材」で酸化を予防しましょう

酸化に強くなるために、あえて酸化させるというのもひとつの方法です。

それが、ウォーキングや水泳などの有酸素運動です。

体の中には酸化で傷ついた部分を修復する防衛システムがあるため、日常的に有酸素運動をすれば、このシステムが強化されるというわけです。

そして、酸化を抑える抗酸化物質をしっかり摂ることが大切です。

おすすめは、皮脂が過酸化脂質になるのを抑えるはたらきがある「ビタミンE」とその吸収を高める「ビタミンC」です。

そのほかにも抗酸化力がある「フィトケミカル」が最近注目されています。

フィトケミカルとは、植物が紫外線や虫から自分の身を守るためにつくり出した成分です。

代表的なもので、ブルーベリーの「アントシアニン」、大豆の「イソフラボン」、ごまの「セサミン」、緑黄色野菜の「カロテノイド」、ごぼうやコーヒーの「クロロゲン酸」などがあります。

フィトケミカルを含む食材の特徴は、「色」「香り」「苦み」「酸味」などが強い野菜や果物です。

酸化から体を守るために、食材をカラフルにして五感まで楽しませるような食事を生活に取り入れましょう。

酸化を防ぐ食べ物

なす(ビタミンC、ミネラル、食物繊維のほか、紫の色素にアントシアニン、アクのような味のクロロゲン酸など)
大豆(ビタミンE、ミネラル、脂質、炭水化物、食物繊維のほか、色素にイソフラボンなど)
トマト(ビタミンA、C、ミネラル、食物繊維のほか、赤い色素にリコピンなど)
ピーマン(ビタミンC、ミネラル、食物繊維など、緑の色素にクロロフィルなど)

(まとめ)頭皮脂は時間が経過すると酸化しますか?

1. はい、シャンプーしても24時間後には皮脂量が戻ります

頭皮脂を放置すると酸素や紫外線にふれ、酸化します。
すると皮脂は、過酸化脂質に変化し頭皮を刺激します。

これが育毛を阻害する原因です。
洗ってから24時間後には皮脂量が元の量に戻るため、1日1回程度のシャンプーを心掛けましょう。

2. 酸化とは酸素と結びつく反応です

人は、酸素を吸うため酸化しているといえます。
私たちは、酸素と栄養素からエネルギーを生み出しており、この過程で活性酸素をつくり出します。

活性酸素は「ストレス」「喫煙」「紫外線」などからも発生し、悪影響を及ぼす場合があります。

3. 加齢臭の正体は皮脂の酸化です

皮脂の酸化や体内で発生した活性酸素から、過酸化脂質ができます。
過酸化脂質は、頭皮に刺激を与え炎症やかゆみを発生させます。

そのほかにも脂肪酸やアルデヒドのようなニオイ物質を発生させ、加齢臭の原因になります。

4. 皮脂の原料となる中性脂肪を増やさないようにしましょう

皮脂の原料は血液中にある中性脂肪です。
中性脂肪が高いと皮脂分泌が増えるとともに酸化して頭皮トラブルや加齢臭の原因になります。

中性脂肪を増やさないように、ごはんやパンなどの糖質とアルコールの摂りすぎに注意しましょう。

5. 油の質を意識して、脂肪をバランス良く摂りましょう

「動物」「植物」「魚」など油にはさまざまな種類があります。
その中には「オメガ3系」「オメガ9系」と呼ばれる中性脂肪を抑えるはたらきがある質のよい油があります。

家庭では質のよい油を使用して、脂肪を、バランス良く摂りましょう。

6. 「有酸素運動+カラフルな食材」で酸化を予防しましょう

酸化予防のために、ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。

また酸化を抑える抗酸化物質を摂ることも大切です。
「フィトケミカル」のような「色」「香り」「苦み」「酸味」などが強い野菜や果物を食べるとよいでしょう。