頭皮脂は、目に見えないレベルで頭皮や髪を守っています


皮脂は、皮膚の内側にある脂腺(皮脂腺)という場所から少しずつ分泌され、目に見えないレベルで私たちの皮膚を守っています。

では具体的にどのようなはたらきをしているのでしょうか。
皮脂の役割は主にふたつです。

ひとつめは保湿です。
皮脂は汗と混ざり合い、皮脂膜をつくります。

この皮脂膜は薄いヴェールのように皮膚表面を覆い水分の蒸発を防ぎ、「皮膚に潤い」を「髪に光沢」を与えてくれるのです。

ふたつめは殺菌作用です。
皮膚にいる常在菌は皮脂をエサにして脂肪酸をつくり出します。

脂肪酸は弱酸性で、雑菌の侵入や繁殖を抑えるはたらきがあるのです。
そんな大切な皮脂ですが、その量やそこに住みつく常在菌はしばしばバランスを崩します。

たとえば「洗いすぎから皮脂や常在菌をとりすぎてしまう」「食事やストレスから皮脂量が増えすぎてしまう」などです。

このように皮脂は「シャンプー方法」「生活習慣の乱れ」「気温」などさまざまな影響を受けているのです。

それでもブラシを使えば髪にボリューム感やツヤを出すことができます。
シャンプー前やスタイリング前に、ブラッシングをして皮脂を有効活用しましょう。

皮脂は皮膚の内側にある脂腺から分泌します

頭皮を含め皮膚は、臓器を守るパッケージのような存在です。
皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下脂肪」という層になっています。

その真皮にあるのが「脂腺」という器官です。
脂腺からは脂性の皮脂が分泌され、皮膚表面を覆っています。

この脂腺は手のひらや足の裏を除いた全身にあります。
皮脂分泌がもっとも多いのは頭皮と顔のTゾーンです。

また皮脂量は性ホルモンの影響を受け思春期に増加します。
とくに男性ホルモンは脂腺を刺激して皮脂分泌を促進します。

皮膚の構造

① 表皮(皮膚の一番外側)
・ 皮膚の潤いを保ち、雑菌の侵入を防ぐ
・「角質層(かくしつそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」からなる

② 真皮(皮膚の中心)
・ コラーゲンやエラスチンがあり、皮膚の弾力やハリを保つ
・「乳頭層」「網状層」からなる
・「リンパ管」「汗腺」「脂腺」「神経」などがある
・ 髪の毛のもととなる毛根、その下にある毛球がある

③ 皮下組織(皮膚のもっとも内側にある)
・ 大部分が皮下脂肪
・ 動脈や静脈といった太い血管がある
・ 栄養状態や年齢によって厚さが変わる

皮脂分泌が多い部位
  • わきの下
  • 背中の中央など

頭皮には皮脂をエサにする常在菌が存在します


常在菌とは、私たちの体に存在する細菌(微生物)です。
皮膚にも1兆個以上の常在菌が生息しているといわれています。

皮膚に関係する常在菌は「表皮ブドウ球菌」「アクネ菌」「黄色ブドウ球菌」の3つです。

「表皮ブドウ球菌」や「アクネ菌」は、汗や皮脂をエサに「グリセリン」や「脂肪酸」をつくり出します。

グリセリンは水分を保持するはたらきがあり、皮膚表面の保湿力が高まります。
一方の脂肪酸は、皮膚表面を弱酸性に保って雑菌の繁殖を防いでくれるのです。

次に「黄色ブドウ球菌」です。
黄色ブドウ球菌は、皮膚が弱酸性の状態だと悪いことができません。

ところが「洗いすぎ」「大量の汗」などから皮膚がアルカリ性に傾くことがあります。
すると黄色ブドウ球菌が増殖してかゆみや炎症を起こすのです。

また普段は皮膚を守っている「アクネ菌」も皮脂が増えたり汚れで毛穴が詰まったりすると増殖してニキビの原因になります。

つまり常在菌はバランスがとても重要ということです。
適量の皮脂と汗、そして常在菌の数や種類のバランスが保たれることで、私たちの健康は維持できるのです。

プラス要素

表皮ブドウ球菌&アクネ菌・・・・汗や皮脂をエサにする→「グリセリン」や「脂肪酸」ができる
・グリセリン(水分を保持して、保湿)
・脂肪酸(皮膚表面を弱酸性に保ち、雑菌を排除する)

マイナス要素

黄色ブドウ球菌・・・・洗いすぎ、大量の汗→皮膚がアルカリ性になる→菌が増殖→かゆみや炎症を起こす
アクネ菌・・・・皮脂が増える、汚れが毛穴に詰まる→菌が増殖→ニキビの原因になる

異常気象による急激な気温の変化で、皮脂が過剰分泌に

皮脂は体を正常に保つために、必要な量だけ分泌しています。

しかし「食事」「ストレス」「生活習慣の乱れ」などさまざまな要因によって、皮脂量がバランスを崩すことがあります。

最近よく起こる熱波や大雨など異常気象も要因のひとつです。
急激な気温の変化に体が付いていけず、皮脂量が増えやすくなります。

さらに頭皮だけではなく髪にも影響を及ぼします。
雨が降って湿度が高くなると髪は水を吸って膨張し、ゴワつきやうねりを感じやすくなります。

また冬など乾燥する時期には静電気が起きやすくなりダメージヘアの原因になります。
頭皮や髪の状態が気温や湿度によって左右されることを覚えておきましょう。

髪や頭皮への紫外線対策も忘れずに

① 髪や頭皮用の日焼け止めスプレー(1日の終わりには、洗い流しましょう)
② 日傘
③ 帽子(通気性のよいものを選びましょう)

「顔や体に日焼け止めを塗る」という声はよく聞きますが、頭皮や髪はどうでしょうか。
紫外線対策を忘れている方も多いはずです。

体の中でもっとも日焼けする場所は、太陽に一番近い頭です。
頭皮や髪が日焼けすると赤茶けた色になり、酷くなると枝毛や切れ毛につながります。

紫外線量は5月から8月がピークです。
日焼け止めスプレー・日傘・帽子をうまく活用して紫外線対策をしましょう。

乾燥予防には、シャンプーで皮脂をとりすぎないことが大切


清潔さを求めるあまり必要以上にシャンプーをしている方が多いようです。
しかしシャンプーのしすぎは皮脂が不足して乾燥を招きフケやかゆみの原因になります。

基本的にシャンプーは1日1回、夜に洗うようにしましょう。
朝よりも夜を選ぶ理由は、髪が夜に成長するからです。

夜に洗えば、皮脂が毛穴をふさいでしまう心配がなく、髪が成長する障害を減らせます。
また使用するシャンプー剤はそのときの肌質に合ったものを選びましょう。

ただしよいと思っていたシャンプー剤が、突然合わなくなることがあります。
加齢によって肌質が変わったり、体調不良によってアレルギーが出たりするケースも珍しくありません。

使い慣れたシャンプー剤であっても、安心しきって使うのではなく定期的に見直してください。

価格が高いシャンプー VS 安いシャンプー

シャンプー剤を選ぶとき「価格が高いものがよいのではないか」と悩む方も多いでしょう。

はたしてそれは本当でしょうか。
なぜ価格に差が生まれるのでしょうか。
実際の理由はそのメーカーにしか分かりませんが、ある程度の見当はつけられます。

たとえば「貴重な原料を使う」「成分の開発に時間がかかる」などの開発費です。
そのほか、「CMや雑誌にかかる宣伝」「容器やデザイン」などにも経費を使います。

このようにシャンプー剤にはさまざまな費用が含まれています。
高いからよいという単純なものではないため、自分の肌に合ったシャンプー剤を選びましょう。

頭皮脂を活かすアイテムはブラシです

頭皮の表面では、絶えず皮脂が分泌されています。
この自分の皮脂を、さらに有効活用しましょう。

ポイントは、ブラシを使うことです。
ブラッシングすると皮脂が毛先まで行き渡り、ツヤが出てより若々しく見えるようになります。

では実際にどのようにブラシを使えばよいのでしょうか。
最初は毛先からブラッシングして、髪のからまりをほぐしていきます。

その後は「真ん中から毛先」「根元から毛先」というように、少しずつ上から下に向かってブラッシングします。

毎日1分程度のブラッシングがおすすめです。
使用するブラシは、好みやライフスタイルに合わせて選びましょう。

ドライヤーを頻繁に使う方は、耐熱温度に注意してブラシを購入してください。

ブラッシングの効果
  • ホコリやフケなど汚れが落ちる
  • 適度な刺激で頭皮の血行が促進する
  • 髪のからみがなくなり、シャンプーがスムーズになる
  • 育毛剤の浸透が良くなる
  • スタイリング剤が長持ちする
  • ヘアスタイルを整える
ブラシの種類
  • 猪毛ブラシ(毛質は硬め、静電気が発生しにくく、ツヤを出すことに優れている)
  • 豚毛ブラシ(毛質は柔らかめ、細い毛や柔らかい髪質におすすめ)
  • ナイロン製ブラシ(髪の汚れを落とすのに優れている)
  • 木製ブラシ(静電気が発生しにくく、頭皮のツボを刺激する)
  • オイル配合ブラシ(油分によって髪の乾燥を防止する)

(まとめ)なぜ頭皮脂があるのですか、皮脂が分泌する意味とは?

1. 頭皮脂は、目に見えないレベルで頭皮や髪を守っています

皮脂には保湿や殺菌作用があり、目に見えないレベルで私たちの皮膚を守っています。
皮脂は汗と混ざり皮脂膜をつくり、ヴェールのように皮膚表面を覆います。

そして水分の蒸発を防ぎ「皮膚に潤い」を「髪に光沢」を与えてくれるのです。

2. 皮脂は皮膚の内側にある脂腺から分泌します

皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下脂肪」という層になっています。
その真皮にあるのが「脂腺」という器官です。

脂腺からは、脂性の皮脂が分泌されています。
この脂腺は手のひらや足の裏を除いた全身にあります。

3. 頭皮には皮脂をエサにする常在菌が存在します

皮膚には1兆個以上の常在菌が生息しているといわれています。
そのうち「表皮ブドウ球菌」や「アクネ菌」は、汗や皮脂をエサに「脂肪酸」をつくり出します。

脂肪酸は皮膚表面を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を防いでいます。

4. 異常気象による急激な気温の変化で、皮脂が過剰分泌に

最近の異常気象は、皮脂を増やす要因のひとつです。
急激な気温の変化に体が付いていけず、皮脂量が増えやすくなります。

また強い紫外線は枝毛や切れ毛の原因になります。
日焼け止めスプレーや帽子を使いましょう。

5. 乾燥予防には、シャンプーで皮脂をとりすぎないことが大切

シャンプーのしすぎは皮脂が不足して乾燥を招きフケやかゆみの原因になります。
自分に合ったシャンプー剤を使って、1日1回洗うようにしましょう。

夜に洗うと、皮脂が毛穴をふさいでしまう心配がなく育毛に役立ちます。

6. 頭皮脂を活かすアイテムはブラシです

自分の皮脂を有効活用するためにはブラシを使うことです。
ブラッシングすると皮脂が毛先まで行き渡り、ツヤが出てより若々しく見えるようになります。

髪のからまりをほどきながら、少しずつ上から下に向かってブラッシングしましょう。