頭皮脂の過剰分泌や酸化が原因になることもあります


せっかくきれいにスタイリングをしても、時間が経つと前髪がうねって残念な感じになったり、嫌なニオイが気になったりすることはありませんか?
夕方になると、それまで目立たなかった髪のうねりやニオイが強くなるのは、皮脂汚れや、汗のせいだと考えられます。

皮脂が、汗やほこりなどの汚れと混ざって毛穴を詰まらせると、毛穴がゆがみ、毛髪がうねる原因になることがあるので、注意しなければなりません。

頭皮は皮脂腺が多く、他の部分に比べると皮脂の分泌量が多い場所であるのに加え、とくに髪の生え際となると、シャンプーなどのすすぎ残しやファンデーションなどの化粧品が汚れとなりやすく、前髪がうねる原因のひとつになります。

頭皮でも生え際はとくに、汚れを残さないように気をつけましょう。

さらに、頭皮脂が多すぎると、時間が経つにつれて酸化したり、雑菌が増殖したりして、嫌なニオイを発する可能性があります。

ホルモンバランスの崩れ、生活習慣の乱れ、間違ったヘアケアなどは、頭皮脂を過剰に分泌させる原因になります。
頭皮脂の過剰分泌を抑えることが、うねりやニオイを減らす第一歩となるので、自分でできることから始めてみましょう。

毛穴がゆがんでいるとくせ毛になるといわれています

毛髪の形状は、毛穴の形で決まり、人種によってくせの出方に特徴があるといわれています。

くせ毛の種類には、髪が波状にうねっている「波状毛(はじょうもう)」、ねじれていている「捻転毛(ねんてんもう)」、髪に太い部分と細い部分があって数珠のような玉状になる「連珠毛(れんきゅうもう)」、強く縮れている「縮毛」があります。

くせ毛には、先天的な原因と後天的な原因があり、その中には、毛髪の先天性奇形や疾患によるくせ毛も含まれるのです。
先天的なくせ毛は、毛根の形や、髪内部のケラチンのバランスなど、遺伝的要素の影響を受けていると考えられています。

それから、子供の頃は直毛だったのに、成長するにつれてくせ毛になる場合がありますが、それは後天的な原因によるものです。

たとえば、赤ちゃんの時には柔らかかった髪の毛が、思春期になると硬くてコシのある髪の毛に変化し、それまで目立たなかったくせが目立ち始めることがあります。
さらに、女性の場合は、出産後や更年期に髪質が変化してくせ毛になることがあります。

このようなくせ毛は、ホルモンバランスが崩れることによって起こるのです。

また、生活習慣の乱れや間違ったヘアケアによる頭皮ダメージ、加齢などで、毛穴の詰まりや頭皮のたるみが生じて毛穴の形がゆがむと、毛髪にうねりが出てしまうことがあります。

その場合は、規則正しい生活を送ったり、正しいヘアケアや頭皮マッサージなどを行ったりすることによって改善できる可能性があるので、一度試してみるとよいかもしれません。

キューティクルが開くとうねりが出やすくなります


毛髪の約85~90%を占めるコルテックスには、親水性(水を吸いやすい性質)と疎水性(水を吸いにくい性質)の2種類があります。

それらが均一に分布していると直毛になり、偏っているとくせ毛になるといわれています。そのコルテックスの外側にあるのがキューティクルで、コルテックスのタンパク質や水分が失われないように守る役割を担っているものです。

ところが、髪が濡れているとキューティクルが開き、水が必要以上にコルテックス内部に入り込んでしまいます。
すると、水を吸って膨らむ部分と膨らみにくい部分の差が出て、髪がうねる、と考えられています。

湿度が高い時や汗をかいた時に、くせが出たり、髪が広がったりするのはその為です。

キューティクルは、摩擦や熱に弱いので、ブラッシングや、ドライヤーの高温の熱、ほか、紫外線などによってダメージを受けると、はがれてしまいます。

キューティクルがはがれると、コルテックスの水分量にも影響を与えるだけでなく、髪のツヤや手触りも悪くなるのでできるだけ傷めないようにしましょう。

しかし、髪が濡れている状態が続くと、水分が流出するだけでなく、雑菌の繁殖にもつながるので早く乾かさなければなりません。
その為、ドライヤーを使う必要がありますが、その場合はまずタオルでできるだけ水分を取り除き、長時間、熱風を当てたり髪に近付けすぎたりすることは避けてください。

そして最後は、冷風を当ててキューティクルを引き締めるとよいでしょう。

ホルモンバランスを整えましょう

女性ホルモンは、主に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。

エストロゲンは妊娠の準備をする働き、プロゲステロンは妊娠を継続させる働きがあり、女性らしい体の成長や健康に大変重要な役割を持っています。

だからといって、女性ホルモンが多ければよいわけではありません。大切なのは両方がバランスよく分泌されることなのです。
エストロゲンが過剰になると、乳がんや子宮体がんのリスクが高くなるといわれています。

プロゲステロンはそれを抑制する働きがありますが、皮脂の分泌を活発にする働きもあるので、どちらも多すぎるとさまざまな悪影響を体に及ぼすことがあるのです。

また、少量で通常は大きく作用しませんが、女性にも、男性ホルモンは分泌されています。テストステロンなどの男性ホルモンには皮脂の分泌を促す働きがあるので、女性ホルモンの分泌量が減ると、男性ホルモンの作用で皮脂が増えます。

栄養バランスの偏りや、運動不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れや過度なストレス、加齢など、ホルモンバランスはちょっとしたことで崩れてしまうのです。

年齢によるホルモンバランスの乱れを防ぐことは難しいですが、自分でできることもあります。

適度な運動、バランスの取れた食生活、規則正しい生活習慣、ストレスの解消は、ホルモンバランスを整えるだけでなく、血行促進にも有効といわれており、ひいては健やかな頭皮にもつながるでしょう。

嫌なニオイの原因は皮脂の酸化と雑菌の繁殖です


皮脂の成分はトリグリセリド(中性脂肪)、ワックスエステル、スクアレン、コレステロールなどで、強く酸化させる活性酸素によってこれらが酸化すると、過酸化脂質が生成されます。

個人差はありますが、皮脂は約5~6時間経つと酸化が始まり、48時間以上経過すると、過酸化脂質になるといわれています。
その時に発生する、不快なニオイ成分が「2‐ノネナール」です。

2‐ノネナールは青臭くて脂臭く、いわゆる加齢臭と呼ばれているニオイです。
それから、アンモニアや硫化水素などの悪臭のもとを発生する雑菌が繁殖することで、頭皮が臭くなることもあります。

私たち人間の皮膚の表面には多くの皮膚常在菌が存在し、うまくバランスを取って皮膚を外的刺激から守ってくれています。

ところが、皮脂の過剰分泌によって皮脂をエサにしているそれらの菌が異常繁殖すると、炎症など頭皮のトラブルを起こしてしまうのです。

頭皮の環境が悪化することで、フケが増え、今度はフケをエサにしている菌が増殖すると、状態がもっと悪化する、という悪循環に陥る恐れがあります。
シャンプー後に生乾きの状態を続けると、菌が繁殖しやすくなるので注意してください。

また、汗をかいた時に出る乳酸をブドウ球菌が取り込んで代謝すると、「ジアセチル」という使い古した油のようなニオイを発生します。

これは、いわゆる「ミドル脂臭」のもとといわれるものです。
汗はできるだけ早く洗い流し、シャンプー後は手早く乾かすことが、嫌なニオイを減らすカギになるでしょう。

ヘアケアは皮脂の落としすぎに気をつけましょう

頭皮の嫌なニオイやべたつきが気になると、何度もシャンプーしたくなりますが、やりすぎは禁物です。
頭皮から出る皮脂は、汗と混ざり合って皮脂膜となり、水分の蒸発を防ぎ、皮膚の潤いを保ちます。

皮脂膜は約pH 4.5から6.0の弱酸性なので、細菌やカビなどの繁殖を抑える役割もあります。

このように、適度な皮脂には、頭皮を保護するという重要な役割がありますが、皮脂を落としすぎると補う為に過剰に分泌される恐れがあるので要注意です。

汗をたくさんかいたり、ひどく汚れたりした場合でない限り、基本的にシャンプーは1日に1回で大丈夫です。
もし、頭皮の乾燥が気になるなら、洗浄力が強すぎるシャンプーを用いるのは避けてください。
アミノ酸系の洗浄成分(界面活性剤)を含んでおり、皮膚と同じ弱酸性なので頭皮に優しいといわれているアミノ酸系シャンプーを使うのもおすすめです。

ただし、脂性肌の人は、アミノ酸系シャンプーでは皮脂が落としきれずに毛穴が詰まる可能性もあるので、頭皮の状態を見ながら、自分に合ったシャンプーを選ぶようにしてください。

洗い方にも注意が必要です。
爪を立てたり、ゴシゴシと強くこすったりすると、頭皮にダメージを与えます。

洗浄力の強いシャンプーを用いたりシャンプーの回数を増やしたりしないで、汚れや汗を落とす為には、シャンプー前にブラッシングをして髪についている汚れを浮かせ、先に、お湯で洗い流すとよいでしょう。

そして、シャンプーやリンス、トリートメントをした後は、すすぎ残しがないようにしっかりと丁寧に洗い流してください。

(まとめ)突然、前髪がうねってニオイも。頭皮脂に関係ありますか?

1. 頭皮脂の過剰分泌や酸化が原因になることもあります

頭皮脂が汗や汚れと混ざって毛穴が詰まると、毛穴がゆがんで髪がうねり、酸化や雑菌の増殖し、これが嫌なニオイのもとになります。
ホルモンバランスの崩れ、生活習慣の乱れ、間違ったヘアケアなどは頭皮脂を過剰分泌させるのです。

2. 毛穴がゆがんでいるとくせ毛になるといわれています

毛髪の形状は、毛穴の形で決まります。
くせ毛は、毛根の形や、髪内部のケラチンのバランスなど、遺伝による先天的原因と、ホルモンバランスや生活習慣の乱れ、頭皮のダメージによる毛穴の詰まりなど後天的原因があります。

3. キューティクルが開くとうねりが出やすくなります

髪のタンパク質や水分を守るキューティクルは、髪が濡れると開くので、キューティクルの状態によって水を吸って膨らむ部分と膨らみにくい部分の差が出て、髪がうねります。
キューティクルは摩擦や熱に弱いので、傷めないようにしましょう。

4. ホルモンバランスを整えましょう

エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されることが大切です。
適度な運動、バランスの取れた食生活、規則正しい生活、ストレス解消は、ホルモンバランスを整え、健やかな頭皮にもつながります。

5. 嫌なニオイの原因は皮脂の酸化と雑菌の繁殖です

皮脂が酸化したり、皮脂の過剰分泌で雑菌が異常繁殖したり、汗をかいた時に出る乳酸を菌が取り込んで代謝したりすると、悪臭が発生します。
汗はできるだけ早く洗い流し、シャンプー後は手早く乾かしましょう。

6. ヘアケアは皮脂の落としすぎに気をつけましょう

適度な頭皮脂は、皮膚の潤いを保ち、人体に有害な細菌などの繁殖を抑えるので、皮脂を落としすぎると補う為の過剰分泌を招きます。
アミノ酸系シャンプーなどで頭皮を傷つけないように洗い、すすぎ残しがないようにしましょう。