円形脱毛症の改善に直接の効果はないようです


円形脱毛症を治療している人が特に悩むのがシャンプーの方法です。

ある日突然、髪の毛がごっそり抜ける、円形脱毛症の症状はショッキングです。

脱毛した部分は地肌がむき出しになり、うかつに引っ張ると周辺の髪も抜けるため、

「毎日洗うのはよくない?」

「シャンプー剤は頭皮に負担をかけてしまうかも」

とためらってしまうのも無理はありません。

そんな円形脱毛症の改善に「湯シャン」が有効ではないかという意見もあるようです。

シャンプー剤を使わず、お湯だけで洗う湯シャンには皮脂の分泌バランスを整え、頭皮環境を改善すると考えられているからです。

しかし湯シャンが、効果をもつといわれているのは、皮脂の過剰分泌が原因で起こる「脂漏性脱毛症」の場合です。

ストレスや自己免疫機能が原因と考えられる円形脱毛症の場合、頭皮ケアやシャンプーは直接の関係はないのです。

とはいえ頭皮を清潔に保つことは、残っている髪の毛の保護や、症状を改善するための大切なサポートになります。

なるべく刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーを選び、洗髪は毎日か、せめて1日おきに行った方がよいようです。

湯シャンが頭皮によいかどうかはわからない

「湯シャンが脱毛症の改善に効く」という意見は、「シャンプー剤が髪や頭皮に悪影響をおよぼす」という考え方からきています。

頭皮にとって適度な皮脂や皮膚常在菌は外部の刺激から守ってくれる存在。

洗浄力の強いシャンプー剤で髪を洗うと、強い界面活性剤によって必要な皮脂や皮膚常在菌まで洗い流され、かえって頭皮にダメージを与えてしまう、というものです。

確かにシャンプー剤によっては洗浄成分が強すぎて、何度も洗うことで頭皮がダメージを受ける可能性があります。

ですが湯シャンが、頭皮の改善に有効だという医学的な根拠は特にないのです。

あくまでもイメージの問題で、むしろスタイリング剤などはお湯だけでは落ちないため、落とすために熱いお湯を使ったり爪を立ててしまったりすると、逆に頭皮を傷つける可能性もあります。

普通のシャンプーを普通に使い、しっかり洗い流していれば、それが脱毛症につながるほど頭皮にダメージを与えることはまずないようです。

皮脂と円形脱毛症に因果関係はありません


湯シャンで円形脱毛症は改善しないといわれる理由は、そもそもの円形脱毛症の原因にあります。

なぜ円形脱毛症が起こるのかについては諸説ありますが、原因と考えられるのは

  1. 自己免疫疾患
  2. 過度なストレス
  3. 遺伝

などです。

最近は免疫細胞であるリンパ球が誤って毛包を攻撃してしまうために起こる、免疫機能の異常という考えが主流になっています。

これらの要因はどれも体内の問題であって、頭皮とは直接関係がないのです。

日本皮膚科学会の円形脱毛症治療ガイドラインには、シャンプーによる髪の毛や頭皮のケアが回復率を上げたり、症状を改善したりするという記載はありません。

同じ脱毛症でも、頭皮の皮脂分泌が原因とされる「脂漏性脱毛症」であれば別ですが、少なくとも円形脱毛症に皮脂の関与は認められていません。

治療中の洗髪にはアミノ酸系のシャンプーがおすすめです

円形脱毛症の改善をはかるなら、湯シャンや民間療法ではなく

  • 皮膚科での治療を受ける
  • 自然治癒を待つ

現在のところこの選択肢しかありません。

ただ髪が抜けるのが怖いからといって、洗髪そのものを控えてしまうと、皮脂汚れやスタイリング剤などが毛穴に詰まりほかの脱毛症を招く可能性があります。

円形脱毛症の場合、毛包にはダメージがないことが多く、きちんと頭皮ケアをしていれば再び髪が生えてくる可能性も高いので、できれば毎日きちんと洗いましょう。

ただ注意したいのは、シャンプー剤の選び方。

脱毛した部分は頭皮が露出して、髪の毛を作る毛母細胞もダメージを受けています。

湯シャンのように、まるきり洗浄剤を使わないのは逆効果になりかねませんが、安価なシャンプー剤に含まれる洗浄成分は頭皮を刺激してしまうので避ける必要があるでしょう。

汚れや余分な皮脂だけを落とし、保湿効果ものぞめるアミノ酸系の育毛シャンプーは頭皮への刺激が少なく、円形脱毛症に対して効果が期待できるとされています。

(まとめ)湯シャンには円形脱毛症の改善効果がある?

1. 円形脱毛症の改善に直接の効果はないようです

皮脂の分泌バランスを整えるという「湯シャン」が円形脱毛症の改善に有効ではないかという意見もあるようです。

しかし円形脱毛症の原因として考えられるのは、ストレスなどの内因的なもの。

残念ながら頭皮ケアやシャンプー剤の有無は症状の改善に直接の関係ないようです。

2. 湯シャンが頭皮によいかどうかはわからない

洗浄力の強いシャンプー剤で髪を洗うと頭皮に必要な皮脂や皮膚常在菌まで洗い流されてしまう、という考え方から湯シャンが注目されているようです。

しかし湯シャンが、頭皮の改善に有効だという根拠はなく、逆に頭皮がダメージを負う可能性もあります。

3. 皮脂と円形脱毛症に因果関係はありません

皮脂分泌が原因とされる「脂漏性脱毛症」と違い、円形脱毛症の原因と考えられるのは自己免疫疾患、過度なストレス、遺伝といった体内の問題。

日本皮膚科学会のガイドラインには、頭皮ケアが回復率を上げたり、症状を改善したりするという記載はありません。

4. 治療中の洗髪にはアミノ酸系のシャンプーがおすすめです

とはいえ脱毛を恐れるあまり、洗髪そのものを控えてしまうと、皮脂汚れやスタイリング剤が毛穴に詰まってほかの脱毛症を招く可能性があります。

できるだけ頭皮に刺激の少ないアミノ酸系の育毛シャンプーを使って毎日きちんと洗うように心がけましょう。