体質が直接的・間接的に影響を与える場合があります


美しい髪を育てる為には頭皮の健康が必要不可欠であり、頭皮脂の分泌量は育毛にとって重要な要素のひとつです。

しかし皮脂の分泌量が多すぎても少なすぎても、頭皮の健康を損ない、頭皮や毛髪にいろいろなトラブルを起こしやすくなることはご存知ですか?

実は頭皮脂の分泌量は、年齢や性別・季節だけでなく、体質によっても変わることがあります。

たとえばアレルギーは今や国民病ともいわれ、アレルギー症状を起こしやすいアレルギー体質の人も珍しくないでしょう。

アレルギー体質の人に多く見られるアレルギー性皮膚炎の代表的疾患として、アトピー性皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎が知られています。

アトピー性皮膚炎の人は皮脂の分泌が少ないので、皮脂膜が薄く、皮膚を保護するバリア機能が低下しやすくなっています。

またアレルギー性接触皮膚炎は強いかゆみを感じる為、かきむしったりすることで頭皮にダメージを与え、頭皮脂の分泌量が減ってしまう恐れがあるので、注意しましょう。

適切な治療を続けて体質が改善すれば、頭皮トラブルの症状が好転する可能性もあります。

皮膚は皮脂の分泌や免疫にも関係しています

皮膚には外部の刺激から体を保護したり、体温を調節したり、皮脂や汗の分泌と老廃物の排出を行ったりするなど、生命を維持する為に「体を正常に保つ」働きがあります。

皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織の3つの層に分かれています。

表皮

細菌やウイルスなどの異物の侵入を防ぐ役割があります。

表皮にはランゲルハンス細胞という皮膚の免疫系を構成する細胞があり、アレルギー性皮膚炎と関わりがあると考えられています。

それから表皮は外側から「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」という4つの層からなっています。

角層は、肌が乾燥しないように皮膚の水分を保つ「保湿機能」と、ほこりや菌などが体内に入らないようにする「バリア機能」を備えています。

角層細胞の間には、セラミドを含む「細胞間脂質」があり、角層の働きをサポートするので、肌の為にセラミドが不足しないように注意しなければなりません。

真皮

皮膚組織の大部分を占めており、主に「コラーゲン」というたんぱく質でできていて、

コラーゲン線維を支える「エラスチン」などとともに、肌に弾力を与えます。

さらに毛細血管・リンパ管・皮脂腺・汗腺なども、この真皮にあります。

毛細血管は栄養を皮膚に届け、拡張と収縮によって体温調整も行っています。

皮脂腺は毛穴を通じて皮脂を分泌し、その皮脂が水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを守ります。

皮下組織

大部分が皮下脂肪で、動脈・静脈・神経などを保護しています。

また断熱・保温の役割や、脂肪としてエネルギーを蓄える役割も担っています。

アレルギーを起こす原因を特定して回避しましょう


人間の皮膚や粘膜には、外部から体に異物が入ってこないようにするバリア機能が備わっています。

しかしなんらかの理由でそのバリアが壊れると体の中に、ウイルスや細菌・ダニ・花粉などの物質が侵入します。

そういった異物(抗原)を攻撃し排除するしくみが「免疫」です。

本来、免疫反応は不可欠な生理機能なのですが、通常無害であると思われる物質に対しても免疫反応が起こる場合があります。

そのように免疫反応が特定の物質に対して過剰に働くことをアレルギー反応と呼んでいます。

そしてアレルギーの原因(アレルゲン)に対して、体を守る機能を持つ抗体を作り、皮膚炎などの典型的なアレルギー症状を起こしやすい体質をアレルギー体質といいます。

アレルギー体質の場合、血中にIgE抗体が大量に存在するといわれていますが、IgE抗体の量が多いからといって必ずしも症状が出るわけではありません。

アレルギーの病気には、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎・食物アレルギー・薬物アレルギーなど、さまざまあります。

またアレルゲンも、ダニやハウスダスト・カビ・花粉・卵や牛乳などの食物・動物の毛・薬物・蜂毒など多岐にわたり、アレルギーの病気の種類や生活環境・食生活・年齢など人によってアレルゲンも異なります。

アレルギー疾患の治療の基本は原因となるアレルゲンを回避することです。

まずは専門の医師に相談し、アレルゲン検査を受けてアレルゲンを特定し、回避するとともに治療を行いましょう。

アトピー性皮膚炎は体質と環境の要因が重なると発症します

アトピー性皮膚炎は強いかゆみと湿疹が皮膚に繰り返し起こる、皮膚の炎症を伴う病気です。

アレルギー体質であることや皮膚のバリア機能の低下などによる「体質的な要因」と、アレルゲンや外部からの刺激、ストレスなどによる「環境的な要因」が重なった時に皮膚炎の症状が現れると考えられています。

アトピー性皮膚炎の人は、セラミドが比較的少ない為、内部の水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥している状態です。

また、毛穴の皮脂腺から分泌される皮脂量も少ないので、皮膚を保護する皮脂膜も薄くなっています。

これらの理由により、皮膚のバリア機能が低下し、かゆみも引き起こしやすくなるのです。

そして皮膚のバリア機能が低下していることによりアレルゲンも侵入しやすく、汗やほこり、シャンプーなどに含まれる成分などによる刺激にも弱くなってしまいます。

だから症状を悪化させない為には、アレルゲンを避けることに加え、皮膚を刺激しないように注意してください。

かゆみがあるので、ついついかいたりこすったりしがちですが、皮膚を摩擦することで角質のバリアが壊され乾燥もさらに進み、よりかゆみが増すという悪循環に陥る可能性があるので気をつけましょう。

アトピー性皮膚炎の発症や悪化の要因はさまざまありますから、まずは自分の状態・状況を把握することが大切です。

薬物療法などの治療を受ける他、皮膚の乾燥を防ぐ為に保湿をする、などのスキンケアも行いましょう。

それから疲労・睡眠不足なども悪化させるといわれているので、規則正しい生活習慣を送るように心がけてください。

さまざまな物質がアレルギー性接触皮膚炎の原因になります


アレルギー性接触皮膚炎は、皮膚に触れた物質に対して免疫反応を起こすことで発症する、いわゆる「かぶれ」のことです。

植物(ウルシ類・さくら草など)、ゴム・金属・化粧品・香水・抗菌薬・防腐剤など、非常に多くの種類のアレルゲンがあり、アレルギー反応を起こす物質は人によって異なります。

アレルゲンに触れると、表皮にあるランゲルハンス細胞が皮膚に侵入してきた異物を記憶して抗体を作り、次に体内に侵入してきた時に攻撃する準備をします。

これを「経皮感作(けいひかんさ)」と呼びます。

感作された状態で、再びそのアレルゲンが侵入するとアレルギー反応を起こします。

その物質に接触後すぐに症状が出るのではなく、2~48時間後に症状が出るといわれています。

強いかゆみと赤い発疹が生じ、ひどくなると、腫れたり水ぶくれができたりする場合もあります。

一度触れただけでは症状が出なくても、特定の物質に接触を繰り返すことで症状が現れる為、かゆみがぶり返したり長引いたりする場合は、もしかするとアレルギー性接触皮膚炎かもしれません。

健康な皮膚は角質に守られているので異物は侵入しにくいのですが、乾燥や傷によって角質が破壊されてバリア機能が低下すると、異物が侵入してアレルギー反応を起こしやすい状況になります。

かゆいからといってかきむしったりすると、皮膚が傷つき、悪化する恐れがあるので注意しましょう。

アレルゲンが分かったら、それに触れないようにすることが大切です。

頭皮脂の分泌量が多くなる体質もあります

頭皮が脂っぽくベタベタしたり、顔がテカテカと光ってニキビができやすかったりといった体質の人の肌は「脂性肌」または「オイリー肌」といわれています。

本来、適度に分泌された皮脂は汗と混ざり合って皮脂膜を作り、皮膚の乾燥を防ぎ、外部の刺激から皮膚を保護する重要な役割があります。

ところが皮脂が過剰分泌されると、清潔感や不快感の問題ばかりでは済まず、頭皮や肌の健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、気をつけなければなりません。

生まれつき男性ホルモンの分泌量が多い人は、皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌量も多くなるので、脂性肌になると考えられています。

しかし諦めてはいけません。

肌質は、遺伝的要因もありますが、生活習慣や日頃のケアの影響も大きいといわれています。

加齢や過度のストレスや生活習慣の乱れなどによってホルモンバランスが乱れ、皮脂腺を刺激する男性ホルモンの作用が優位に働く為に、頭皮脂の過剰分泌が起こることがあるので、規則正しい生活を行うように心がけましょう。

それからベタつきをなくそうとして、洗浄力が強いシャンプーを用いたり、シャンプーの回数を増やしたりすることは禁物です。

必要な皮脂まで落としすぎると、不足した皮脂を補う為に分泌量が増加する可能性があるからです。

頭皮に優しいといわれているアミノ酸系シャンプーを使い、汗や汚れがひどい場合を除き、洗髪は基本的には1日1回でよいでしょう。

またシャンプーやリンスなどのすすぎ残しは頭皮環境を悪化させるので、しっかりとすすぐようにしてください。

(まとめ)アレルギー体質は頭皮脂の分泌に影響を与えますか?

1. 体質が直接的・間接的に影響を与える場合があります

アレルギー体質であるアトピー性皮膚炎の人は、皮脂の分泌が少ないのでバリア機能が低下していると考えられています。

アレルギー性接触皮膚炎の人は、かゆみが強い為、かきむしって頭皮にダメージを与え、頭皮脂の分泌量が減る恐れがあります。

2. 皮膚は皮脂の分泌や免疫にも関係しています

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層に分かれ、表皮は異物の侵入を防ぎ、免疫・保湿・バリア機能を備えています。

真皮にある皮脂腺は、皮脂を分泌して肌の潤いを守り、皮下組織は動脈や静脈などを保護しています。

3. アレルギーを起こす原因を特定して回避しましょう

免疫反応が過剰に働いて、特定の物質に対して抗体を作ってアレルギー症状を起こしやすい体質をアレルギー体質といいます。

アレルギーの原因(アレルゲン)は多岐にわたるので、特定して回避し、治療しましょう。

4. アトピー性皮膚炎は体質と環境の要因が重なると発症します

アトピー性皮膚炎の人は、アレルギー体質により肌が乾燥し、皮脂量も少なく、刺激にも弱いという体質的な要因と、アレルゲンや外部からの刺激、ストレスなどによる環境的な要因、この二つが重なった時に皮膚炎の症状が現れます。

5. 様々な物質がアレルギー性接触皮膚炎の原因になります

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)のアレルゲンは、植物・ゴム・金属・香水など、非常に多く人によって異なります。

アレルゲンに触れると体内で抗体が作られ、再びそのアレルゲンが侵入するとアレルギー反応を起こします。

6. 頭皮脂の分泌量が多くなる体質もあります

生まれつき男性ホルモンの分泌量が多い人は、皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌量も多くなるので、脂性肌になると考えられています。

しかし生活習慣や日頃のケアの影響も大きいので、規則正しい生活を心がけましょう。