季節によって変化する頭皮脂の状態をコントロールしましょう


よく「春先にはフケが増える」「秋になると抜け毛が増える」などという話を耳にしますね。

あたりまえのことのようですが、人間の頭皮は一年中同じ状態ではありません。

暑さ寒さ・湿度・など、季節による環境の変化は体内のホルモン分泌、皮脂分泌、血流などに影響し、そのため頭皮の状態も変化します。

たとえば蒸し暑い夏や乾燥が厳しい冬になると皮脂分泌が過剰になります。

そのため気候のよい時期に比べて、夏や冬には頭皮トラブルの発生率が高くなるのです。

頭皮は通常、皮脂から作られた「皮脂膜」というバリアによって外部の刺激から守られています。

その一方でフケや吹き出物などの頭皮トラブルの原因にもなってしまうのが頭皮脂。

皮脂分泌が足りなければ皮膚を守るバリア機能が弱まって頭皮は乾燥しますし、過剰になると毛穴に詰まって髪の成長を阻害してしまいます。

頭皮の健康は、頭皮脂の状態に左右される、といっても過言ではありません。

そしてこの皮脂の分泌量は、気温や湿度によって変化するのです。

気候によって変化する皮脂の分泌量をコントロールできれば、頭皮トラブルも起こりにくくなります。

季節ごとの皮脂分泌の状態を把握し、それに沿った頭皮ケアを心がけることで健康な頭皮を手に入れましょう。

夏の頭皮は皮脂汚れに注意

夏場の頭皮は「汗」「皮脂」「紫外線」という、過酷な環境にさらされてダメージを受けています。

夏に多い皮脂トラブル

・汗や皮脂による頭皮のベタつき

・汗や皮脂からくる頭皮のかゆみ・湿疹

・雑菌の繁殖によるニオイ・頭皮ニキビ

気温が高くなると体は体温上昇を防ぐために汗腺から汗を出します。

この汗腺のはたらきに皮脂腺も連動するため、蒸し暑い夏には、頭皮の皮脂分泌量は急激に増加するのです。

夏場の皮脂の分泌量は5~7 gと、ほかの季節の約2倍にもなるといわれます。

そのためシャンプーで落としきれずに残った皮脂が酸化し、フケ・かゆみといったトラブルが起こります。

また毛穴に詰まった角栓様物質を放っておくと、毛根へ運ばれる栄養が妨げられ、髪が成長しなくなって薄毛になってしまう場合もあります。

さらに汗をかいたまま放置したり帽子をかぶったりすることで頭皮は蒸れやすくなり、皮脂をエサとする雑菌が繁殖してニオイや皮膚の炎症に拍車をかけます。

蒸し暑い夏は、皮脂汚れや雑菌と闘う季節なのです。

だからといってシャンプーの回数を増やすのはおすすめしません。

皮脂の取りすぎはあらたな皮脂分泌を促し結局、頭皮環境を悪化させてしまいます。

気になる汗のベタつきや雑菌はお湯で流すだけでほとんど落ちるので、シャンプー剤を使った念入りな洗髪は1日1回にとどめておきましょう。

毛穴に詰まった皮脂汚れが気になる場合は、ヘッドスパなどが有効です。

冬は乾燥による皮脂詰まりに注意


意外に思えますが、冬場の皮脂分泌は夏以上に多くなります。

空気の乾燥や冷気から頭皮を守るために皮脂分泌が増えるのです。

冬に多い頭皮トラブル

・乾燥によるフケやかゆみ

・血行不良から増える抜け毛や白髪

・皮脂詰まりによるベタつき

秋から冬になると、フケがパラパラと落ちてきたり、かゆくなって頭をかきむしったりするケースが増えます。

これは、空気の乾燥が激しくなることから起きています。

外気だけでなく、室内の空気もエアコンなどの暖房器具の使用で非常に乾燥しています。

空気中の水分が失われると、頭皮にある水分は空気中へ逃げて乾燥してしまいます。

すると水分と皮脂成分から作られていた皮脂膜のバリア機能が低下して、外部からの刺激に弱くなり、フケやかゆみ・炎症を起こしやすくなるのです。

また水分の減少は血管を収縮させてしまい、血行不良を引き起こします。

血液の循環が悪くなると毛根へ運ばれる栄養が不足し、髪の毛の成長が止まり、抜け毛が増えてしまいます。

頭皮は乾燥や冷えから頭皮を守るために、皮脂を大量に分泌し、皮脂膜を作って少しでも水分量を保とうとします。

しかしこの分泌された皮脂がさらにトラブルを呼んでしまうのです。

通常、皮脂は体温で液化して皮脂膜となり、髪の毛の先まで包み込んで頭皮の保湿をします。

しかし冬は気温が低いため、分泌した皮脂は溶けずに地肌に残ってしまい、「滞留皮脂」として頭皮にたまって頭皮環境を悪化させてしまうのです。

乾燥によるトラブルが急増する冬の頭皮には、保湿ケアが欠かせません。

保湿のためのオイルパックやトリートメント、頭皮用化粧水などで潤いを補いましょう。

頭皮マッサージで血行を促すことも症状をやわらげる効果があります。

気温や湿度が変化する春・秋の頭皮は過敏になっています

春や秋は、季節の変わり目ならではの頭皮トラブルに注意が必要です。

春の頭皮トラブル

・皮脂の増加によるニオイ・かゆみ

・乾燥によるフケ

・花粉などアレルギー物質による頭皮の荒れ

冬から春になると新陳代謝が盛んになり、皮脂分泌が活発になります。

環境の変化によるストレスも、皮脂を増加させるため、ニキビなどの炎症を起こしやすくなります。

また新陳代謝が活発になっているということは、頭皮が敏感になっているということでもあり、花粉などの皮膚トラブルも増えます。

この季節は冬よりもマメに洗髪し、異物を排除するよう心がけましょう。

秋の頭皮トラブル

・夏のダメージからの抜け毛

・乾燥から起こるフケ・かゆみ

気温も下がって過ごしやすい季節ですが、秋の「過ごしやすさ」は湿度が下がり、空気が乾燥してきている証拠です。

夏の紫外線やエアコンの風にさらされた頭皮は、かなり乾燥している状態にあります。

しかし夏場と比べて皮脂の分泌量は低下しているため、頭皮を守る「皮脂膜」は壊れやすくなってしまいます。

また夏の間に浴びた紫外線、大量の皮脂や汗、栄養バランスの乱れ、体の疲れといったストレスが一気に噴き出す時期です。

「秋になると抜け毛が倍に増える」という話を耳にしますが、これは夏に蓄積されたダメージが表面化して起こると考えられます。

夏のダメージを抱えた頭皮に、過剰な洗髪は禁物。

保湿ケアで頭皮を乾燥から守りましょう。

季節にあわせてシャンプーを使い分けると効果的です

蒸し暑い時期は洗浄力が強めのシャンプー

一見、同じように頭皮脂が過剰な状態であっても、夏と冬では皮脂の状態が違います。

皮脂には35~36℃という、だいたい体温の温度で溶けて、液状に変化する性質があります。

そのため夏場の皮脂は汗とともに頭皮全体にいきわたり、全体をコーティングしている状態。

シャンプーをするときにはしっかりと汚れを落とす必要があります。

あまり洗浄力が強すぎるものはよくありませんが、弱すぎると頭皮の上に汗や皮脂が残って、それをエサとする雑菌が繁殖してしまいます。

皮脂や汗をしっかり取り除き、雑菌の繁殖を抑えるためには薬用のスカルプシャンプーなどが有効です。

寒く乾燥した時期は保湿機能の高いシャンプー

逆に気温が低い冬場には、たまった皮脂が溶けず、粘度の高い状態で毛穴や毛穴の縁に固まっています。

うまく皮脂膜が張れていない状態ですから、頭皮は乾燥して敏感になっています。

こうした頭皮には、保湿成分が豊富に含まれたシャンプーやトリートメントを活用して潤いを与える必要があります。

それには頭皮への刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。

大雑把にわけると、オイリーになりやすい春~夏はしっかり洗浄タイプ、乾燥が気になる秋~冬は洗浄力のマイルドなシャンプーという使い分けです。

もちろん、これはあくまでも目安にすぎません。

個人差もありますし、市販のシャンプーも数々の種類があります。

自分の頭皮にどれが合うかわからないという場合は、美容師さんにアドバイスしてもらうとよいでしょう。

頭皮脂の状態はこまめにチェックしましょう

頭皮の皮脂分泌は、季節だけでなく食事の栄養バランスや年齢、ストレスなどによっても影響を受けます。

もともとオイリー肌か乾燥肌かという個人差もありますから、シャンプーを使い分ける際には頭皮のコンディションを確認する必要があります。

自宅で頭皮の皮脂量をチェック

皮脂の分泌量によって使うべきシャンプーやヘアケア方法も変わりますから、適切なヘアケアのためには、まず自分の皮脂分泌量を知ることが大切です。

① 額をタオルかハンカチで軽く拭く

② 顔を上に向け、額に500円玉を載せて3秒押し当てる

③ ゆっくりと正面を向きます

④ 正面を向いてから500円玉が落ちるまでの時間を計る

1秒で落ちるなら乾燥肌

2~3秒なら標準

3~4秒は皮脂が多め

5秒以上ついているならかなりオイリー肌

乾燥ぎみの頭皮は刺激に対して敏感です。

夏場でもあまり洗浄力の強いシャンプーは避け、汗や雑菌などの汚れはシャンプー前にお湯で予洗いすることで対処しましょう。

逆に皮脂が多いオイリー肌の場合は、夏場は雑菌の繁殖を防ぐ薬用シャンプーを用い、冬場でもきちんと皮脂を落とした上で保湿ケアをするように工夫しましょう。

(まとめ)頭皮脂の状態は季節によって変わるの?

1. 季節によって変化する頭皮脂の状態をコントロールしましょう

人間の頭皮は季節による環境の変化によって状態が変化します。

蒸し暑い夏や乾燥が厳しい冬になると頭皮トラブルが増えるのは、この時期に皮脂分泌が過剰になるためです。

季節ごとの皮脂分泌の状態にあわせた頭皮ケアを心がけましょう。

2. 夏の頭皮は皮脂汚れに注意

皮脂分泌量が急増し、落としきれずに残った皮脂が酸化しフケ・かゆみなどのトラブルにつながります。

また雑菌が繁殖しやすいため、ニオイや皮膚の炎症の原因になります。

洗いすぎはよけい皮脂分泌を促すおそれがあるので、気になるベタつきや汗はお湯で落としましょう。

3. 冬は乾燥による皮脂詰まりに注意

空気が乾燥し冷たくなる冬は、頭皮を守るために、夏以上に皮脂分泌が増えます。

また水分が失われてバリア機能が低下するため、フケやかゆみ・炎症を起こしやすくなり、血行不良から毛根への栄養が不足し、抜け毛も増えがちです。

この時期はオイルパックなどの保湿ケアが重要です。

4. 気温や湿度が変化する春・秋の頭皮は過敏になっています

春は新陳代謝や皮脂分泌も活発になり、ニキビなど炎症が増えやすい季節です。

花粉などアレルギー物質も増えるので、丁寧な洗髪を心がけましょう。

秋には夏に受けた頭皮ダメージがどっと出てきます。

過剰な洗髪は控え、保湿ケアで頭皮を乾燥から守りましょう。

5. 季節にあわせてシャンプーを使い分けると効果的です

・オイリーになりやすい春~夏は皮脂や雑菌をしっかり洗浄できる薬用のスカルプシャンプーなど

・乾燥が気になる秋~冬は保湿成分が豊富に含まれた、洗浄力のマイルドなアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。

個人差もあるので美容師さんに相談するとよいでしょう。

6. 頭皮脂の状態はこまめにチェックしましょう

額に500円玉を載せ3秒押し当て、ゆっくりと正面を向いて硬貨が落ちるまでの時間が

1秒→乾燥肌

2~3秒→標準

3~4秒→皮脂多め

5秒以上→オイリー肌

乾燥肌なら夏でも洗浄力の強いシャンプーは避け、オイリー肌なら冬もきちんと皮脂を落とすなど調整をしましょう。