脱毛症のステロイドパルス療法とは高濃度ステロイドを点滴投与する治療法です


この治療法では内服薬の10倍〜20倍という高濃度のステロイドを3日連続で点滴し、早期改善を目指します。

極めて重症かつ発症初期に検討される方法で、即効性が高い特徴があります。

ステロイドを大量投与するリスクについて不安視する声もありますが、短期集中でケアを進めたい患者さんへの選択肢として検討されます。

日本皮膚科学会が一定の効果を認めています

日本皮膚科学会が公表している円形脱毛症診療ガイドラインによると「高濃度ステロイドを3日連続で点滴静注したところ脱毛範囲が縮小した例がある」とされています。

6ヶ月以上の症例となると改善割合が下がることから「急速進行中かつ発症初期の症例で推奨できる治療」とされていて、対象患者さんに対して実施した場合には一定の効果を発揮する可能性が高いとしています。

不眠や動機といった軽い副作用が報告されていますが、入院期間を延長するほどのレベルではないようです。

この記述を読む限り、条件に該当する患者さんに対して入院を伴い適切な管理状況の中で使用すれば、高い効果が見込める治療法と判断できるでしょう。

通院により点滴投与を進めることもできますが、安全面に配慮するなら、入院治療が推奨されます。

自己免疫が原因の脱毛症の場合にはケアの遅れが原因となり、複数箇所に症状が広がる状況も懸念されますが、早期対応によって精神的負担を軽減できます。

信頼できる医師の指示にしたがってステロイドパルス療法を検討し、症状の悪化と進行を予防しましょう。

脱毛面積25%以内の場合は外用薬で様子をみます


日本皮膚科学会は脱毛面積と発症からの期間で推奨治療法を判断していてます。

具体的には、脱毛面積が25%未満の比較的軽症な患者さんに対しては、内服薬や外用薬で様子を見るのが望ましいとしています。

症状が固定していると判断されるとステロイド局所注射や局所免疫療法が検討されることもありますが、ステロイドパルス療法は対象外です。

ステロイドを大量投与することにより身体に高い負担がかかるリスクがあり、糖尿病や高血圧などの症状を招くこともあるため、安易に使用できない治療法です。

ステロイドパルス療法をすすめられた場合には、本当に自分に必要かよく聞いたうえで、正しい判断をしましょう。

主治医のアドバイスに不安を感じる場合は、他の皮膚科や毛髪クリニックを受診して、セカンドオピニオンをとる方法もあります。

1回の入院期間は3日と長いものではありませんが、数回に渡って点滴治療を繰り返すケースも多々あり、長期スパンの治療になることもあります。

一度治療を始めると自分の判断での断薬は難しく、医師による調整が必要です。

そのため、医療機関との信頼関係が重要となる大掛かりな治療といえるでしょう。

内服薬や外用薬で効果が出なかった人に使われることもあります

長期にわたって大掛かりな治療をするとなると気後れしてしまう方もいるでしょう。

しかしステロイドパルス療法は、内服薬や外用薬で成果が出なかった人に対する切り札として活用できます。

入院して医師や看護師の指導のもとで治療に専念するので薬を飲み忘れるリスクもなく、脱毛症を改善したい人にとっては適した治療法といえるでしょう。

ステロイドパルスを推奨されてもすぐに決心できずに治療を先延ばしした結果、症状が悪化し再発を繰り返してしまう事例もあります。

入院となると家族や職場の理解が必要で一筋縄ではいかないこともありますが、なるべく早く決断して挑戦するほどよい結果につながりやすいと考えましょう。

インフォームドコンセントが重要視されている風潮もあり、医師は治療方法のアドバイスが主になることが多く、聞いた情報をもとに自分自身で判断することが求められます。

一定のリスクがあり、必ず治ると言い切れる治療法ではないものの、有効な治療法といえるでしょう。

(まとめ)脱毛症のステロイドパルス療法とは?

1.脱毛症のステロイドパルス療法とは高濃度ステロイドを点滴投与する治療法です

ステロイドパルス療法とは、高濃度ステロイドを点滴投与する治療法です。

ステロイド投与に伴う一定のリスクはありますが、広範囲に脱毛が見られる患者さんへのケア手段として検討されます。

2.日本皮膚科学会が一定の効果を認めています

ステロイドパルス療法は、日本皮膚科学会が一定の効果を認めているケア方法です。

入院を延長しなくてはいけないほど重篤な副作用が出るリスクは低い治療と考えられています。

3.脱毛面積25%以内の場合は外用薬で様子をみます

注意点としては、広範囲に脱毛が見られる患者さんへのケアに適用されることがあります。

脱毛範囲25%以内の場合は内服薬や外用薬によるケアが優先され、経過観察によって患部の変化を見ていきます。

4.内服薬や外用薬で効果が出なかった人に使われることもあります

入院治療となるためかなり大掛かりなケアですが、なかなか治らない脱毛症への切り札として検討できます。

治療を先延ばしにして再発を繰り返すより賢明な選択肢と考える患者さんもいるので、前向きに検討してもよいでしょう。