脱毛が頭部だけでなく、全身に広がることがあります。原因は自己免疫疾患という説が有力です。治療法などを詳しく解説します。


脱毛は毛髪に限ったイメージをお持ちではないですか?実は体中の毛が抜けてしまう全身脱毛症という症状があります。全身脱毛症とはどのようなものか、毛が抜ける部分などをご紹介します。また、再発の割合や特徴、具体的な治療法についてもご説明します。

全身脱毛症とは?

脱毛症には、楕円形などに脱毛してしまう円形脱毛症や、頭部全体が脱毛してしまう全頭脱毛症など、髪の毛が抜けることだけだと思いがちです。しかし中には、脱毛が全身に渡ることもあります。この場合、眉毛やまつげなど頭部にある毛だけでなく、首から下にある、わき毛や手足等の産毛、さらに陰毛まですべて抜けてしまうことも。

また、急に毛が抜け始めたと思ったら、あっという間に全身の毛が抜け落ちてしまうなど、進行がとても速いこともあります。このような、脱毛が全身に渡る脱毛症のことを全身脱毛症、または汎発型脱毛症と呼びます。

脱毛症のタイプはさまざま

脱毛症のタイプとしては、1か所のみ脱毛する単発型から、頭部に、円形や楕円形に2ヶ所以上の箇所が脱毛する多発型、さらに頭部のすべてが脱毛してしまう全頭型など、さまざまなものがあります。

その中でも、汎発型は全頭型がさらに進行してしまい、全身の体毛のある箇所が脱毛してしまうもので、脱毛症としては最も重度で、治療も長くかかります。

全身脱毛症の原因とは?

全身脱毛症の正確な原因は、まだ解明されていません。しかし、自己免疫疾患という説が有力です。

本来の自己免疫疾患とは、異物や細菌などを排除するリンパ球が、自分で自分を攻撃してしまう症状です。脱毛を起こしている場合には、このリンパ球が毛髪の元を作る毛母細胞に集まり、自分の毛包組織を阻害してしまっています。

通常、円形脱毛症など単発型のものは、精神的ストレスも関係していると考えられています。しかし多発型や重症の円形脱毛症、そして全身脱毛症は、ストレスは関係していないと考えられています。

全身脱毛症の特徴

単発型の円形脱毛症は自然治癒することもありますが、全身脱毛症の場合は、また毛が生えてきたと安心しても、再発を繰り返すことがあります。治ってから5年以内に、約40%が再発するといわれています。発症する年齢層もさまざまで、定まっていません。小児から大人まで発症します。

しかし、自己免疫疾患という目線でみると、2013年に出されたデータで、アメリカの自己免疫疾患患者の80%が女性というものがあります。日本でも、女性の方が男性の2~10倍の患者がいるというデータがあることから、自己免疫疾患は、女性の方がかかりやすいともいえるでしょう。

全身脱毛症の治療法


全身脱毛症には、内分泌疾患や自己免疫の異常が隠れている可能性もあります。皮膚科、もしくは脱毛外来などのある専門医の診断してもらうとよいでしょう。原因がはっきりと分かっていませんが、局所免疫療法とステロイドを使用する治療が一般的です。

局所免疫療法

局所免疫療法とは、脱毛が起こっている箇所に、あえてかぶれを引き起こす薬品である「SADBE」などを使用し、免疫反応を起こさせて発毛を促す方法です。脱毛範囲が広く、6ヶ月以上も続いている場合に適応となり、有効率は60%以上です。局所免疫療法は、お子さんでも受けられる治療法です。

通常は1~2週間に1回、通院をして治療を行います。局所免疫療法を中止すると、再発することがあります。

ステロイド使用

全身脱毛症の治療として、ステロイドを内服する方法もあります。ただ、脱毛症が急速に増えて拡大している場合などに効きますが、長期間の適用による副作用の心配もあります。そのため、2~3ヶ月で内服を中止するのが一般的です。成長障害を引き起こすことがあるため、お子さんには使用できません。

また、内服するのではなく、ステロイド局所注射を行う場合もあります。ステロイドは炎症や免疫機能を抑える効果があるため、脱毛している部分に直接注射します。この治療効果は比較的強いのですが、脱毛が広範囲に渡る場合は、その部分ごとに注射をしなければならないため、治療が困難になることもあります。また、治療は何カ月もかかります。

(まとめ)全身脱毛症とは何ですか?原因や治療法は判明していますか?

1. 全身脱毛症とは?

全身脱毛症とは、全身に渡って脱毛することです。眉毛やまつげなど頭部にある毛だけでなく、首から下にある、わき毛や手足等の産毛、さらに陰毛まですべて抜けてしまうことも。また、あっという間に全身の毛が抜け落ちてしまうなど、進行がとても速いこともあります。全身脱毛症の他に、汎発型脱毛症とも呼ばれます。

2. 全身脱毛症の原因とは?

全身脱毛症の原因は、まだ解明されていませんが、自己免疫疾患という説が有力です。本来、異物や細菌などを排除するリンパ球が、自分で自分を攻撃してしまい脱毛を引き起こします。

単発型は精神的ストレスが関係していると考えられていますが、全身脱毛症はストレスの影響によるものではないと考えられています。

3. 全身脱毛症の特徴

再発を繰り返すことがあり、治ってから5年以内に、約40%が再発するといわれています。発症する年齢層もさまざまで、小児から大人まで発症します。自己免疫疾患という目線では、アメリカの自己免疫疾患患者の80%が女性というものがあることから、女性の方がかかりやすいともいえるでしょう。

4. 全身脱毛症の治療法

全身脱毛症の原因がはっきりと分かっていませんが、局所免疫療法とステロイドを使用する治療が一般的です。ステロイド使用は、服用する方法の他に、脱毛している部分に直接注射する方法もあります。